15歳のウィル・ボッグスさんを車の残骸から救出するのに、丸 30 分かかりました。後部座席に座っていたウィルさんは、時速65マイル(時速約105キロ)でTボーン衝突してきた18輪トラックの衝撃をまともに受けました。
ウィルさんはリビング・ウォーターズ・ミニストリーのウェブサイトに投稿し、事故当日のことを説明しています。2005年の春、ウィルさんと母親、姉は春休みを祖父母の家で過ごすために出かけました。その日は暗く、雨が降り、風が強く、視界も悪かったのです。果物ショップに立ち寄った後、運転していた姉のケイシーさんは高速道路に戻りました。ケイシーさんは左右を見て、トラックの運転手が道路へ向かうよう合図しているのに気づきました。ゆっくりと高速道路に戻りましたが、猛スピードで走ってきた 18 輪トラックと衝突しました。
ウィルさんの母、ボッグス夫人は、ビデオの中で、衝突の瞬間、意識を失ったと語りました。
「誰かが生きていたのは奇跡でした」
意識を取り戻したボッグス夫人は、娘の存在は感じられたものの、息子のウィルさんは感じられませんでした。後ろを振り返ると、血にまみれになったウィルさんが後部座席に座っているのが見えました。
ウィルさんは大紀元に、自分の人生を永遠に変えたその日の詳細を語りました。
「19年前、僕はひどい衝突事故に遭いました。トラクタ・トレーラーが僕が座っていた側に衝突し……救急隊が到着した時、生存徴候は確認できず、死亡宣告されました」
生存徴候が確認できなかったウィルさんは、ただちに近くの救急医療センターに搬送され、酸素を投与されて、電気ショックにより心臓が動き始めました。彼は生きてはいましたが、生命の糸はほとんどが切れかけており、昏睡状態でした。
脳内出血と頸動脈の閉塞により、ウィルさんは脳卒中を起こし、左半身が麻痺しました。ウィルさんの脳をスキャンした結果、事故の衝撃で脳が脳幹から分離されていることがわかりました。
医師たちは手の施しようがないと結論づけました。
信仰の力
ウィルさんの両親であるリーさんとデニース・ボッグスさん夫妻は牧師で、1998年にリビング・ウォーターズ・ミニストリーを設立しました。彼らは息子を決してあきらめず、信仰にそって、祈り、そして希望を捨てませんでした。
ウィルさんの聖書を車の残骸から取り出したボッグス夫人は、息子に向けて神の言葉を読み上げ、特にウィルさんの脳と脳幹に焦点を当て祈りました。ウィルさんが病院のベッドで昏睡状態に陥っている間、毎日読み上げ、祈り続け、息子の生命を信じて希望を捨てませんでした。
ウィルさんは、数日後に行われた二度目の脳スキャンで、彼の脳と脳幹をつなぐ細い線が見つかり、医師たちは大変驚きました。医師はその意味するところは完全には分かりませんでしたが、ウィルさんの母は理解していました。
過去のインタビューで、ボッグス夫人はスキャンの結果を聞いた時のことを振り返り、「私はそれが何かわかります! それは神がウィルの脳を再び縫い戻した場所よ!」と力強く宣言しました。
その言葉は正しかったのです。
インタビューで、夫人は医師に「神は、私たちにこの世の世界で「主の善さ」を見るだろうとおっしゃいました」と伝えたことを回想しています。
ボッグス夫人は息子に対して聖書の言葉を読み続けました。
ウィルさんは、昏睡状態の約35日目に、家族が彼にアロエ由来のアセマンナン・サプリメントを与え始めたと説明しました。それは家族の友人でもある医師から渡されたものでした。
インタビューで、夫人は息子の昏睡状態が40日目に差し掛かった時、病室で聖書の朗読を始めようとした瞬間、ウィルさんが今までにない行動を見せたと話しました。
ウィルさんは頭を動かしました。
そして、事故以来初めての言葉を口にしました。
「エゼキエル16章6節」
驚いたボッグス夫人は、聖書をめくりその節を探しました。見つけた時、そのメッセージははっきりしていました。「神が彼にその言葉を与えたのです」と述べ、「医者が何と言おうと関係ありません。神は生きなさいと言っています」
回復への長い道のり
ウィルさんは昏睡状態の間、母親が神の言葉を読み聞かせているのが聞こえ、それは彼を励まし希望を与えたと語りました。
意識を取り戻したウィルさんは、長く厳しい回復過程に立ち向かいました。ウィルさんは大紀元に、自分が重度の障害を負ったと語りました。「左目は見えず、右目はものが二重に見えるため、手術が必要と告げられた」と言いました。「左半身は麻痺し、車椅子に座り、歩くことも話すこともできませんでした」
しかし、徐々にウィルさんは回復し始めました。アロエ由来のアセマンナン・サプリメントは、最初は栄養チューブで、飲み込めるようになったら食べ物に混ぜて摂取しました。複視は手術なしで治りました。左半身を動かす能力を取り戻し、支えると、杖をついて歩き始めました。
ウィルさんは回復への意欲が強く、大紀元に事故前の体力を回復させ、再び走れるようになりたいと語りました。
「車椅子から杖をついて歩くようになり、やがて自力で歩き、そして走るようになりました。走ることは私にとってストレス解消になりました。ロッキーのサウンドトラックを聞きながら走ったり、トレーニングをしたりしました。ロッキーの映画とロッキーのサウンドトラックは、私にとって常に大きなインスピレーション(神の啓示に導かれたかのよう)であり私にとって大きな原動力でした」
ウィルさんによると、効率的に歩けるようになるまで6か月~1年、ゆっくりジョギングできるようになるまでさらに1~2年かかりました。左半身が麻痺していたため、左手を使いギターを弾くことができるようになるまでには、さらに長い年月が必要でした。完全に回復するまでに約12年かかりました。
ウィルさんは、家族の支えが回復に欠かせなかったと述べました。
「家族は私のために戦い続けてくれました。セラピーを受けさせてくれたり、診察に連れて行ってくれたりして、私の回復を支えてくれました。家族は私を施設や入院リハビリセンターには送らず、外来リハビリで直接私を一緒に支えてくれました。家族が協力し、そばにいてくれたことが、回復に大きな役割を果たしたと思います」
続く
編集翻訳 清川茜
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