牛乳と黒ごまでカルシウム補給 効果を高める秘訣

牛乳はカルシウムの優れた供給源として知られていますが、黒ごまのカルシウム含有量は牛乳の約8倍です。この2つを組み合わせたミルクティーは、カルシウムを効果的に補給し、骨を強化する優れた飲み物です。しかし、消化吸収を考慮しないと効果を発揮できません。

 

牛乳の消化問題を解決することが鍵

多くの人にとって、牛乳は乳糖の関係で消化しにくく、腹部の張りや下痢を引き起こしやすいです。牛乳を飲んでも、消化吸収が難しく、かえって胃腸に負担をかけることになります。

中医学では、牛乳は体を冷やす性質がありますが、血液から作られるため、特に赤ちゃんに適しています。赤ちゃんは体が温かく、牛乳を飲むことでバランスが保たれ、健康に育つと考えられています。しかし、大人が牛乳を大量に摂取すると、体が冷えて胃腸の働きが悪くなることがあります。これが腹部の張りや下痢の原因となります。

多くの人にとって牛乳は吸収されにくい(Yurii_Yarema / Shutterstock)

 

健康な成人は、陰陽(冷えと熱)が均衡しているため、大量の牛乳を摂取すると陰陽のバランスが崩れ、体が冷えやすくなります。陽気が不足すると、胃腸の消化吸収機能が低下し、冷えや湿気が溜まりやすくなります。これが腹部膨満感や下痢の原因となります。

現代人は冷たい飲み物を好むため、胃腸が冷えやすく、消化不良を引き起こしやすいです。このため、胃腸を温め、消化を助ける食材を多く摂り、温かい飲み物を飲むことが重要となってきます。

 

牛乳との組み合わせにおすすめの食材

牛乳に、胃腸を温め消化を助ける食材を加えることが重要です。最も一般的なものは、柑橘類やハーブ類です。

 

柑橘類やハーブを使おう

胃腸を温め、消化を助ける効果のある食材には、柑橘類やハーブがあります。オレンジ、グレープフルーツ、みかんの皮などが代表的です。これらの果皮には香りの成分が含まれており、この香りが胃腸の働きを助けます。

胃腸が冷えや湿気から解放されると、消化機能が活発になり、正常に働き始めます。中医学ではこれを「胃腸を目覚めさせる」と表現します。香りの強い果皮やハーブ(例えば、しそやミントなど)は、すべて胃腸の機能を目覚めさせる効果があります。胃腸が健康になると、消化吸収が良くなり、体全体の健康を保つことができるでしょう。

柑橘類やハーブ類(Tatjana Baibakova / Shutterstock)

 

みかんの皮は乾燥させると陳皮に 消化を助ける効果が最強

胃腸が弱く冷えやすい人には、みかんの皮を使うのがおすすめです。みかんの皮は温かい性質を持ち、体を温め、冷えを取り除く効果があります。また、消化を助け、胃腸の働きを良くする効果も優れています。みかんの皮を乾燥させたものが陳皮と呼ばれる有名な漢方薬で、冷えや湿気によって滞った経絡を活性化し、消化を助ける効果があります。これにより、牛乳の消化問題を根本的に解決できるでしょう。

 

黒ごまは腎臓を強化 美容にも効果的

現代の研究では、黒ごまのカルシウム含有量は牛乳の約8倍とされています。中医学では、黒色の食べ物は腎臓を補強するとされています。

黒色は五行の水に属し、腎臓は水のエネルギーを司る臓器とされています。中医学では、骨髄と脳の生成、髪の色も腎臓が管理するとされており、腎臓が健康であれば、脳と骨も健康で、髪も黒くなります。逆に、腎臓が弱ると、知力が低下し、腰や膝に力が入らず、精力不足になり、髪が早く白くなります。

黒ゴマ(Nungning20 / Shutterstock)

 

黒ごまは腎臓の経絡と通じており、腎臓を強化することで、骨を丈夫にし、カルシウムの補給に役立ちます。現代の研究が示す高いカルシウム含有量は、古代の五行説を裏付けています。黒色の食べ物は、牛乳のような白色の食べ物よりもカルシウム補給に優れています。

 

牛乳と黒ごまは相性抜群

五行では、白色(金)は黒色(水)を助ける関係にあります。つまり、白色の食べ物である牛乳は、黒色の食べ物である黒ごまの効果をさらに高めます。牛乳は黒ごまのカルシウム補給と骨の強化、脳の健康維持の効果を助けます。腎臓が強化されることで、若返りや美容、長寿の効果も期待できます。

牛乳、黒ごま、そしてみかんの皮を組み合わせると、最も簡単で効果的な方法になります。みかんの皮が胃腸の消化力を高め、牛乳と黒ごまの栄養素とエネルギーを十分に吸収できるようにし、最適なカルシウム補給と骨強化の効果を得ることができます。

 

みかんの皮と黒ごまのミルクティー

イメージ画像(271 EAK MOTO / shutterstok)

 

<材料>

・みかんの皮 5グラム(みかんの皮の代わりに、または追加で食用のハーブやローズフラワーなどを使って風味を変えることもできます)

・黒ごま 30グラム

・牛乳 250ミリリットル

 

<作り方>

1.みかんの皮を洗い、鍋に入れ、適量の水を加えて煮沸し、5~10分煮ます。その後、汁を取り出しておきます。(ハーブや花を使う場合も同じようにします)

2.黒ごまを軽く炒めて粉末に挽きます。

3.煮たみかんの皮の汁、黒ごま粉、牛乳を混ぜ、沸騰直前まで加熱します。お好みで黒糖や蜂蜜を加えてください。

4.家に加熱機能付きのブレンダーがある場合は、すべての材料を一緒に入れて混ぜ、温かくして飲むと吸収が良くなります。

 

<効能>

みかんの皮

・消化を助ける:みかんの皮は温かい性質を持ち、消化を助け、湿気を取り除き、痰を解消する効果があります。食欲不振や消化不良の改善に役立ちます。

・カルシウム補給:みかんの皮にはカルシウムが含まれており、体にカルシウムを補給します。

みかんの皮を乾かしたものを陳皮ともいう(wuming123 / shutterstock)

 

黒ごま

・肝臓と腎臓を強化:黒ごまは肝臓と腎臓を強化し、体を健康に保ちます。腰や膝の痛み、頭のふらつき、耳鳴り、便秘などに効果があります。

・骨の健康:黒ごまはカルシウム、鉄、ビタミンEが豊富で、骨を強くし、骨粗しょう症を予防します。

・髪を黒くする:黒ごまは髪を黒くする効果があり、髪の薄毛や早白の改善に役立ちます。

 

牛乳

・カルシウム補給:牛乳はカルシウムが豊富で、骨の健康を促進し、骨粗しょう症を予防します。

・リラックス効果:牛乳にはトリプトファンが含まれており、リラックス効果があり、睡眠を助け、失眠や不安の軽減に役立ちます。

 

ローズフラワー

・気分を良くする:ローズフラワーは気分を良くし、血の巡りを良くする効果があります。情緒不安や胸の痛み、生理痛の緩和に役立ちます。また、血栓の予防にも効果があります。

・美容効果:ローズフラワーはビタミンや抗酸化物質が豊富で、肌をきれいにし、老化を遅らせ、ハリのある肌の弾力を取り戻します。

 

<注意事項>

みかんの皮は、清潔で無農薬のものを選び、乾燥させたもの(陳皮)が最適です。陳皮のほうが効果が強いです。

黒ごまは十分に炒めてから粉末にすることで、吸収がよくなります。

牛乳は低脂肪のものを選び、脂肪の摂取を控えましょう。

 

(翻訳編集 華山律)

白玉煕
文化面担当の編集者。中国の古典的な医療や漢方に深い見識があり、『黄帝内経』や『傷寒論』、『神農本草経』などの古文書を研究している。人体は小さな宇宙であるという中国古来の理論に基づき、漢方の奥深さをわかりやすく伝えている。