自然な方法で脂肪肝を撃退!

脂肪肝は、多くの人が知らないうちに抱えている一般的な健康問題の一つです。この病気は、肝臓の重量の5%以上が脂肪で占められると発症し、初期にはほとんど症状が現れません。しかし、適切な対策を取らないと進行し、肝硬変や最悪の場合は肝がんに至ることもあるため、早期の予防と管理が重要です。

脂肪肝は肥満の人だけの問題ではありません。見た目が細くても体脂肪率が高い「やせ型肥満」と呼ばれる状態の人もリスクを抱えています。また、甘いものやアルコールを頻繁に摂取する食生活も、脂肪肝の発症に大きく影響します。さらに、過体重の人では、BMI(体重を身長の二乗で割った値)が25以上の場合、脂肪肝のリスクが高まるため、適切な検査を受けることが勧められています。

脂肪肝の進行は次のような段階を経ることがあります。

  • 単純な脂肪沈着(ステアトーシス)
  • 炎症の発生(脂肪性肝炎)
  • 線維化(初期の肝硬変)
  • 進行した肝硬変や肝がん

また、脂肪肝の患者は心血管疾患のリスクが高まり、それに関連する死亡率が増加する傾向も指摘されています。

脂肪肝の予防と改善には、健康的な生活習慣が欠かせません。定期的な運動を習慣化し、バランスの良い食事を心がけることで、脂肪肝のリスクを低減できます。例えば、糖分や脂肪分の多い食品を控え、野菜やタンパク質を多く含む食事を取り入れることが効果的です。

 

肝臓の健康を守るために避けたい食品

  • アルコール

アルコールは肝臓に特に負担をかける食品の一つです。「液体のパン」とも呼ばれるアルコールは、肝臓に脂肪を急速に蓄積させる原因となり、飲みすぎると脂肪肝が悪化するリスクがあります。

  • 砂糖を多く含む食品や飲み物

キャンディーやデザート、甘味飲料などの高果糖食品を摂りすぎると、血糖値が急上昇し、余分な果糖が肝臓に脂肪として蓄積されます。これにより脂肪肝のリスクが高まります。また、砂糖の摂取量が多いと依存性が生じる場合もあります。

  • 人工的なトランス脂肪酸を含む食品

人工トランス脂肪酸や部分的に水素添加された植物油を含む食品は、肝臓や心臓に悪影響を及ぼします。フライドチキンやケーキ、コーヒークリーマー、バター代替品などに含まれることが多く、これらの食品は可能な限り避けるのが望ましいです。

  • 遊離糖を減らすことで得られる効果

JAMA(アメリカ医師会雑誌)に掲載された臨床試験では、加工食品などに含まれる遊離糖の摂取を減らすと、肝臓の脂肪がわずか8週間で25~17%に減少することが分かっています。このような改善は、食生活の工夫によって実現可能です。

 

菜食主義者の場合

加工されたベジタリアン食品には脂肪分が多いものがあり、適量を守ることが重要です。その代わりに、オーガニックの新鮮な大豆、豆腐、高野豆腐などの良質なタンパク質源を選ぶことが推奨されます。これらは低カロリーで満腹感が持続し、健康的な選択肢です。

さらに、イギリスの栄養学ジャーナルに発表された研究によると、カロリー制限下で豆類(インゲン豆、レンズ豆、エンドウ豆など)を摂取すると、2〜4時間にわたり空腹感が軽減し、満腹感が持続する効果があることが確認されています。

 

不健康な食習慣を見直そう

健康的な食生活を維持するには、バランスの取れた食事スケジュールが欠かせません。しかし、不健康な習慣を続けると、肝臓の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

避けるべき習慣

  • 食べ過ぎ
    食べ過ぎは肝臓に負担をかけ、脂肪肝のリスクを高める原因となります。
  • 食事を抜くこと
    昼食を抜き、その反動で夕食を食べ過ぎるといった習慣は、長期的には脂肪肝の原因になる可能性があります。

賢い食事計画の立て方

食事の計画を工夫することで、過食を防ぎ、健康をサポートできます。たとえば、夕食に会食の予定がある場合、朝食や昼食を控えめにし、間食として果物を取り入れることで、満腹感を得ながら夕食の食べ過ぎを防ぐことができます。

2024年3月に発表された科学誌『Molecules』の研究では、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)に対する体重減少や運動の効果を、脂肪の変化という視点から初めて分析しました。この研究では、高脂肪食を与えられたマウスの脂質代謝が乱れた一方で、食事療法を行った場合には脂質の状態が大幅に改善されたことを確認しました。その中でも、栄養の工夫が最も重要な改善要因であることが明らかになっています。

 

肝臓の健康をサポートする3つの食品

アブラナ科の野菜
ブロッコリーやラディッシュなどには、肝臓の解毒を助けるスルフォラファンが含まれています。

硫黄を多く含む食品
ニンニクやタマネギは、肝臓の解毒能力を高める硫黄化合物が豊富です。

オメガ3脂肪酸を含む食品
アボカドやサバなどは、体内の炎症を軽減する効果があるオメガ3脂肪酸を多く含んでいます。

 

山楂(サンザシ)茶で脂肪肝を予防

サンザシ茶。(Dr.Hu_talk/YouTubeより提供)
サンザシ茶(Dr.Hu_talk /YouTube 提供)

定期的な運動やバランスの取れた食生活に加えて、肝臓の脂肪を減らす手助けとなる「山楂茶」を取り入れてみませんか?

材料

乾燥した山楂(サンザシ) 10グラム(小さめの一握り程度)

燻製した梅(スモークプラム) 1個

バラのつぼみ 5個

作り方

材料を500ミリリットルの沸騰したお湯に入れ、弱火で10分ほど煮出します。

時間がない場合は、材料を保温ポットに入れ、熱湯を注いで10分蒸らすだけでも簡単に作れます。

このハーブティーを砂糖を多く含む飲み物の代わりに飲むことで、脂肪肝のリスクを減らす効果が期待できます。

山楂茶の特徴

山楂(サンザシ)
中医学や現代医学では、体重減少や脂肪減少に役立つとされています。また、消化を助け、脂っこい食事を摂り過ぎた際の膨満感を和らげます。

燻製梅(スモークプラム)
血中脂質を下げる働きがあり、脂肪減少をサポートします。

バラのつぼみ
リラックス効果だけでなく、血中脂質を改善する効果が期待されます。

手軽に作れる山楂茶で、毎日の健康習慣を一歩進めてみましょう!

 

この記事で述べられている意見は著者の意見であり、必ずしもエポックタイムズの意見を反映するものではありません。エポックヘルスは、専門的な議論や友好的な討論を歓迎します。

(翻訳編集 華山律)

胡乃文
台湾台北市にある上海同徳堂の伝統中国医学医師。カリフォルニア州サニーベールのNine Star University of Health sciencesの教授であり、また、スタンフォード研究所で生命科学の研究員としての経験を持つ。20年以上の臨床経験を通じて、14万人以上の患者を治療。中医学を用いて世界で5人目の悪性黒色腫患者を治癒させたことで名を馳せる。現在、登録者数70万人を超えるYouTubeの健康番組を主宰。また、オーストラリアや北米などで開催されている健康とウェルネスに関する人気のロードショーでも知られている。