古い携帯電話の修理に精通した専門家によると、多くの人が間違った方法で携帯電話を充電しており、その結果、バッテリーの劣化を早め、携帯電話を買い替えざるを得なくなっているそうです。
現在、インフレの影響で生活費が上昇している中、携帯電話を長持ちさせる方法に関心を持つ人が増えています。
iPhoneなどの電子機器の修理・再販を行う「Back Market」の主任リフレッシュビジネスマネージャー、ケウィン・シャロン(Kewin Charron)氏は、イギリスの新聞『デイリー・メール』(Daily Mail)のインタビューで、適切なメンテナンスを行えば携帯電話のバッテリー寿命を延ばせると語っています。
ここでは、携帯電話のバッテリー寿命を延ばすための3つの重要なテクニックを紹介します。これらを実践すれば、新しい携帯電話を早めに買い替える必要がなくなるでしょう。
充電ポートを清掃する
シャロン氏は、「ホコリや小さなゴミは、スマートフォンやバッテリーの寿命を縮める大敵です。充電ポートにホコリが溜まると、デバイスが過熱したり、充電ができなくなったりする原因になります。スマートフォンを適切に清掃することで、バッテリーの過熱を防ぎ、長く使い続けることができます」と述べています。
彼は、柔らかく、少し湿らせた糸くずの出ない布で充電ポートの周りを拭くことを推奨しています。ポート内に溜まったゴミを取り除くには、爪楊枝を使い、片側からゆっくりと動かして取り除きます。ただし、充電ポートは非常に繊細な部分なので、慎重に作業することが重要です。ゴミが出てきたら、布で拭き取り、必要に応じて新しい爪楊枝を使って再度掃除します。
「スマートフォンを掃除する前に、必ず電源をオフにしてください。その後、ライトを使って充電ポート内部を照らし、どれくらいのホコリが溜まっているかを確認しましょう」と彼はアドバイスしています。

過充電を避け、完全放電前に充電する
携帯電話を常に充電したままにすることや、バッテリーを完全に使い切ることは、どちらもバッテリーの寿命を大幅に縮めてしまいます。シャロン氏は、バッテリーの残量を 20%〜80%の範囲内に保つ ことを推奨しています。これは少し難しそうに感じるかもしれませんが、多くの最新のスマートフォンには 充電を最適化する機能が搭載されています。特に、最新のiPhoneでは簡単に設定できます。
iOS13以降を搭載したiPhone の場合、以下の手順で設定を変更できます:
- 「設定」 を開く
- 「バッテリー」 を選択
- 「バッテリーの状態と充電」 をタップ
- 「バッテリー充電の最適化」 をオンにする
Appleによると、「バッテリー充電の最適化」 はバッテリーの劣化を抑え、iPhoneが満充電の状態で長時間放置されるのを防ぐことで、バッテリーの寿命を延ばします。この機能をオンにすると、特定の状況下では 80%以上の充電が遅延されます。iPhoneは機械学習を利用してユーザーの充電習慣を学習し、長時間充電器に接続されると予測された場合のみ 「バッテリー充電の最適化」を有効にします。
一方、Androidスマートフォン については、メーカーごとに設定方法が異なるため、少し複雑になります。シャロン氏によると、Androidでは以下の方法で バッテリーの健康状態を確認できます:
- 「設定」 を開く
- 「バッテリー」 を選択
- 「バッテリー使用量」 をタップすると、バッテリーの状態を確認可能
さらに、「バッテリー使用量の管理」 内の 「最適化」 を有効にすると、スマートフォンが自動的にバッテリー寿命を延ばす設定を行います。
(参考情報:スマホ電池持ち時間 iPhoneが10位)

極端な温度環境から守る
携帯電話のリフレッシュ専門家によると、スマートフォンを極端な温度環境から守ることが最も重要 だといいます。気温が0℃以下になると寒すぎ、35℃以上では暑すぎるため、どちらの場合もバッテリーの寿命を縮める可能性があります。そのため、長時間直射日光にさらすことを避け、暑い車内や電車内での使用を控えることが大切です。
シャロン氏は、スマートフォンの内部温度が正常な範囲を超えると、さまざまな不具合が発生する可能性があると指摘しています。
例えば、
- 画面が暗くなったり、真っ黒になったりする
- カメラのフラッシュが使えなくなる
- 「充電一時停止」の通知や温度警告が表示される
このような警告が出た場合は、涼しい場所に移動してから充電し、ワイヤレス充電は避けるのがベスト です。
また、彼は スマートフォンを充電する際は、気温が32℃未満(華氏90度以下)の涼しく湿気の少ない環境を選ぶこと を推奨しています。過熱を防ぐためには、ワイヤレス充電よりも有線充電を使う方が良いとのことです。
暑い環境にいる場合、スマートフォンの温度が上がりすぎないように、いくつかの対策を取ることができます。
例えば、
- 充電していないときは、画面の明るさを下げることで過熱を防ぐ
- バッテリー残量が少なく、スマートフォンが電波を探していると、過熱の原因になる
→ 電波が弱い場所では「機内モード(Airplane Mode)」をオンにし、電波が安定している場所でオフにするのが良い
(翻訳編集 里見雨禾)
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