社会問題 違法改造の中古電動バイクだった

違法改造の中古電動バイクのバッテリーが爆発 18歳少年死亡=中国

2025/01/04 更新: 2025/01/04

昨年、中国・江蘇省の市民宅で「電動バイクバッテリー」が爆発し、18歳少年が死亡する事故が起きた。

事故の話題は2024年12月31日、中国SNSのトレンド入りし、バッテリー爆発などその安全性と危険性に関する議論が再度巻き上がった。

消防当局は、電動バイクのバッテリーが発火したと認定している。

爆発したバッテリーのついた電動バイクは過去に6度もわたって転売されており、死亡した少年は中古品を扱うプラットフォームを通じて購入したものだった。しかし、事故は購入して12日後に起きた。

中国メディアによると、バッテリーの異常を最初に発見したのは死亡した少年の祖父だ。その時、バッテリーは充電を完了しており、プラグも抜かれていたが、バッテリーからは何やら異音がしていたという。

そこへ、死亡した少年が状況確認しにやってきた時、爆発した。少年は全身の90%に重度のやけどを負い、入院2日後に死亡した。

 

爆発事故が起きた少年の家。(動画よりスクリーンショット)

 

注目すべき点は、問題の電動バイクはバッテリーを含めて、過去に多くの箇所を違法に改造されていた。元は鉛蓄電池だったのが、リチウムイオンバッテリーに交換されていたという。

事故の後、死亡した少年の家族は電動バイクの過去の所有者6人と修理店店主らを提訴し、7人の被告に対して、共同で賠償責任を負うよう求めた。

最終的に、裁判所は7人の被告が共同で40%、少年に60%の責任があるとする判決を下した。

この判決結果について、「そんな危険なバッテリーを作ったメーカー、販売許可を出した者、販売業者らの責任はないというのか」とする不服の声も多く上がっており「似たような発火事故は過去に無数に起きているのに、なぜ問題解決されないのか」と、怒りと嘆きの声も広がっている。

 

なぜか解決されないバッテリー問題

ハンドルのアクセルを、握るだけで走行し、免許も不要の「電動バイク(電動スクーター)」は特に交通渋滞が悪化する都市で生活する市民にとっては、日常生活に欠かせない存在となっている。

しかし、品質に問題のあるバッテリー(多くがリチウム電池)が、充電中や走行中に発火する事故はあまりにも多いのが現実だ。

 

2024年9月13日夜、4人が死亡した中国遼寧省瀋陽市にある集合住宅で起きた火災。火元は「充電中の電動スクーター」とされている。(中国のネットより)

 

(突然発火する「電動バイク(リチウム電池)」

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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