真夏のスイカは、暑さを和らげてくれるだけでなく、みずみずしい果汁を味わえるのも魅力です。しかし、一度カットしたスイカはすぐに柔らかくなり、食感も味も損なわれてしまいます。甘くておいしいスイカを選ぶことも大切ですが、食べる直前に「ひと手間」加えることで、よりフレッシュな状態を保つことができます。
アメリカのグルメサイト「Serious Eats」のレシピ開発者であるリア・コリンズ(Leah Colins)さんは、スイカを水っぽくさせない方法を紹介しました。必要なのはボウル、ザル、少量の砂糖、そして30分間の冷蔵時間だけです。具体的な手順は次のとおりです:
- カットしたスイカを大きめのボウルに入れます。
- 砂糖を加えます(スイカ約4カップに対して小さじ1が目安。甘みが足りなければ、小さじ1を追加してもOK)。
- 全体に砂糖がまんべんなく行き渡るよう、スイカと砂糖をよく混ぜます。
- ザルにスイカを移し、その下にボウルを置き、ふたをして冷蔵庫で30分ほど冷やします。
- 30分後、余分な水分がボウルに溜まり、引き締まった食感がスイカのおいしさを一層引き立てます。

砂糖で余分な水分を抜くメカニズム
スイカをカットするとすぐに果汁がにじみ出て、水っぽくなります。そこで砂糖を使うことで、余分な水分を引き出すことができます。これは、塩を使ってキュウリやトマトの水分を抜く方法と似ています。
コリンズさんによると、野菜や果物に砂糖(または塩)をふりかけると、浸透圧作用によって水分が外に引き出されます。つまり、砂糖や塩といった溶質が細胞の半透膜を通じて水分を細胞の外に移動させ、余分な水分を取り除く仕組みだと説明しています。
塩の分子は小さく、水に溶けやすいため、水分を吸収する力が強く、短時間で食材の食感を大きく変えることができます。そのため、キュウリなどをパリッと仕上げるのに適しています。しかし、スイカのようにデリケートな果物には塩は効きすぎてしまい、かえって食感を損なう可能性があります。
一方で、砂糖の効果は穏やかです。砂糖の分子は大きく、塩ほど簡単に溶けないため、浸透圧の力もそれほど強くありません。そのため、スイカの水分を適度に抜きながらも、果肉の構造を壊さず、食感を引き締めてくれます。
さらに、砂糖にはスイカの甘さや香りを引き立てる効果もあります。そのため、塩味のチーズやハーブ、スパイス、柑橘系の果物と組み合わせて、サラダの材料として使うのにも最適です。

コリンズさんは、この方法がすぐに食べないスイカサラダを準備する際にも非常に便利だと話しています。たとえば、ピクニックに持っていくときや、暑い日に事前に料理を用意しておきたいときにもぴったりです。
最後に、彼女はこのテクニックを使う際の注意点をいくつか挙げています:
- 味見してから砂糖を加える:最初にスイカの味を確かめて、甘ければ砂糖は控えめに。
- 砂糖を入れすぎない:特に塩味のチーズなどと組み合わせるサラダでは、控えめな甘さがベスト。
- しっかり水分を切る:他のサラダ素材と混ぜる前に、ザルで余分な水分をしっかり落とすことが大切。
(翻訳編集 正道勇)
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