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あなたは朝型?それとも夜型? 夜更かしがもたらす健康リスク

ジョアンナ・ビドウェル(Joanna Bidwell)さんは、深夜を過ぎてから仕事を片付けるのが好きで、その後は番組を見たりスマートフォンを触ったりしてリラックスします。眠り自体はよく取れているのに、朝起きるのが苦手で、早起きのときは頭がぼんやりしてしまうことが多いといいます。

「大丈夫。私はこの生活に慣れていて、夜の時間に埋め合わせをしているんです」と彼女はエポックタイムズに語りました。

しかし最近になって、彼女は自分の睡眠リズムが単に早起きを難しくしているだけではないのかもしれないと考え始めました。「もしかすると血圧が上がったのは、このせいでは?」と自問しています。

多くの人は「睡眠時間さえ足りていれば、寝る時間は問題ない」と思うかもしれません。しかし研究によると、早寝早起きのほうが心身の状態が良く、夜更かしは健康に悪影響をおよぼす可能性があるのです。

早寝早起きとクロノタイプ

クロノタイプ(Chronotype)とは、人が自然に「いつ眠るか」「いつ最も頭が冴えるか」という傾向を指します。大半の人は以下の2タイプに分けられます。

  • 朝型(いわゆる「ヒバリ型」):朝の目覚めが良く、午前中に集中力が高まり、夜は早めに疲れを感じる。
     
  • 夜型(いわゆる「フクロウ型」):夜更かしを好み、朝起きるのが苦手で、午後以降に効率が高まる。

最新の約7万3,000人を対象にした研究によると、クロノタイプに関係なく、夜遅くに眠る習慣は睡眠時間が十分であっても健康リスクを高めることが分かっています。

一方で、夜型の人でも「早めに寝て早起きする」習慣を身につければ、糖尿病・高血圧・肥満・代謝異常・消化不良・さらにはがんのリスクが低下する傾向があるとされています。

これまでの研究は夜更かしが心理的な健康に悪影響を及ぼすことを示していましたが、最新の調査では身体の健康面にも害を及ぼす可能性があると指摘されています。
 

生体リズムは変えられるのか?

「早寝の方が健康に良いのなら、なぜ一部の人はそれが難しいのか? 私たちは生まれつき『ヒバリ型』か『フクロウ型』に決まっているのか、それとも生活習慣で生体リズムを訓練できるのか?」

スタンフォード大学睡眠医学教授で概日リズム(昼夜リズム)の研究者、また今回の研究の共同著者でもあるジェイミー・ツァイツァー(Jamie Zeitzer)氏はエポックタイムズの取材に対し、次のように述べています。「クロノタイプ(時型)の両極端に位置する人々──つまり典型的な朝型と夜型の人に関しては、遺伝子が大きな役割を果たしています」

また、時型は年齢によっても変化します。思春期の人は一般的に夜型に傾きますが、年齢を重ねるにつれて徐々に朝型へ移行します。多くの人は朝型に近づきたいと願いますが(特に早番勤務や家庭の責任を持つ夜型の人々)、自然な傾向を大きく変えるのは容易ではないとツァイツァー氏は指摘します。

「変えようと努力することはできますが、週末や休暇中に再び夜更かしすれば、夜型のリズムはすぐに戻ってしまうのです」と彼は言います。
 

潜在的なメカニズム

では、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず、なぜ夜更かしが身体に悪影響を及ぼすのでしょうか?

夜更かしと健康不良の関連は、新陳代謝・ホルモン調整・生活習慣への影響によるものと考えられます。体が「休息すべき時間」である生理的な夜間に覚醒状態を保つと、摂取カロリーの増加や糖質・炭水化物への強い欲求、さらにはブドウ糖とインスリンの調整の乱れを引き起こします。これらはいずれも心臓病や糖尿病など慢性疾患のリスクを高める要因です。

研究では、夜勤者も夜更かしと似た経験を持つため、代謝に関する健康リスクが著しく高いことが確認されています。

一方で、夜型の人が早めの就寝・起床へと移行すると、朝の光を浴びる機会が増えます。朝の光は体内リズムを安定させる重要な役割を持ち、健康的な睡眠—覚醒サイクルの形成を助け、ホルモンの調整をより効率的に行い、がんや代謝疾患の予防にもつながるとされています。
 

夜型の人への実用的なアドバイス

変えることは可能です。スタンフォード大学精神医学・行動科学科の博士研究員レンスケ・ロック(Renske Lok)氏はエポックタイムズの取材で、光、日常の生活リズム、社会的な要因が時間の経過とともに睡眠時間に影響すると述べています。

「光は体内リズムを調整する最も強力な外部シグナルです」とロック氏は語ります。夜型から早寝を目指す人にとっては、睡眠と起床の時間を厳格に一定に保つこと、そして適切なタイミングで光を浴びることが、生活リズムを改善する助けになります。

具体的には、起床後30〜60分以内に自然光を浴びることで、体内時計を安定させるよう推奨しています。また、夜は寝る1〜2時間前からリラックスに入る準備をし、照明を落とし、電子機器の使用を減らし、刺激的な行動を控えることで、身体に「休む時間だ」という信号を送ることができます。

さらに、特に日照の少ない季節や朝外出が難しい人には光照療法も有効です。これにより日中の覚醒度が高まり、眠気が軽減されます。

食事と生活習慣も重要な要素です。

「私は登録栄養士であり、同時に『早寝』に取り組まなければならない夜型人間でもあります。そんな私から実践的な方法をいくつか紹介します」と、栄養と食事のアカデミーの広報担当でもある登録栄養士デビー・プティパン(Debbie Petitpain)氏は語ります。
 

栄養士のアドバイス

昼食後はカフェインを避ける: コーヒー、紅茶、炭酸飲料、エナジードリンクに含まれるカフェインは数時間体内に残り、眠りを妨げます。午後以降は水やハーブティーに切り替えましょう。

夜の食事は軽めに: 寝る直前の食べすぎは入眠を妨げます。夕食は就寝2〜3時間前までに済ませ、もし軽い夜食が必要なら、バナナや全粒クラッカーなど少量で消化の良いものを選びましょう。

睡眠を助ける食材を取り入れる: マグネシウムを多く含む食品(アーモンド、ほうれん草、かぼちゃの種)や、トリプトファンを含む食品(七面鳥、卵、乳製品)はリラックスを促し、睡眠の質を高めます。夕食に取り入れると、満腹感を避けつつ自然な眠気を促す効果があります。
 
(翻訳編集 華山律)

ゼナ・ルー・ルーは、健康ジャーナリストで、健康調査ジャーナリズムの修士号を持ち、機能栄養に特化した認定健康およびウェルネスコーチです。スポーツ栄養学、マインドフルイーティング、内的家族システム、および応用ポリヴェーガル理論のトレーニングを受けています。彼女はプライベートプラクティスで働き、英国に拠点を置く健康学校の栄養教育者としても活動しています。