夜になってもなかなか眠れず、不眠に悩まされていませんか。神経科学者によりますと、額に冷たい物を置くことで、羊を数えたり睡眠薬を使ったりしなくても、眠りに入りやすくなる可能性があるそうです。
アメリカの神経科学者カイル・コックス氏は、ソーシャルメディア上で、額に冷たい物を置くと深い眠りにつながる可能性があると述べています。睡眠クリニックの中には、睡眠薬の代替的な方法の一つとして、この方法を勧めているところもあるそうです。
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コックス氏は次のように述べています。「研究者たちは、額の温度が脳を覚醒状態に保つか、睡眠状態に入りやすくするかに関与していることを発見しました。前頭葉(脳の最前部にある領域)の温度が、たとえ1度下がるだけでも、睡眠に関わる化学物質の分泌が促される可能性があります」
さらに同氏は、「重度の不眠症の人を対象にこの方法を試した研究があります。額に接触する冷却帽を装着させたところ、多くの人が睡眠薬を服用した人よりも早く入眠したと報告されています」と述べています。
同氏は、寒さが脳内の混乱した思考を落ち着かせる働きをする可能性があると説明しています。冷たいタオル1枚でも構わず、冷凍したグリーンピースの袋を薄いタオルで包んで使ってもよいそうです。就寝時にそれを額に当て、温まったら外すことで、乱れていた思考が落ち着きやすくなるといいます。
また同氏は、温度の変化が脳に「今は夜だ」という信号を伝えることで、思考が活発に動いている状態でも眠りに入りやすくなると述べています。同氏自身はこの方法を数か月間試しており、メラトニンを使用するよりも効果を感じているとしています。

不眠症とは何か?
アメリカの著名な医療機関であるメイヨー・クリニックによりますと、不眠症は一般的な睡眠障害で、入眠が困難になったり、睡眠を維持できなくなったりする状態を指します。また、早朝に目が覚めてしまい、再び眠れなくなることもあります。目覚めた後も疲労感が残ったり、不安や抑うつを感じたり、集中力が低下したりすることがあります。
必要な睡眠時間は人それぞれ異なりますが、ほとんどの成人は1晩に7~9時間の睡眠を必要とするとされています。
多くの成人は短期的な不眠を経験します。この不眠は数日から数週間続くことがあります。短期的な不眠は、通常、ストレスやつらい出来事が原因とされています。しかし、長期的な不眠、いわゆる慢性不眠症を経験する人もおり、この場合は3か月以上続きます。不眠そのものが主な問題である場合もあれば、他の疾患や薬剤と関連している場合もあります。
長期的な不眠の一般的な原因
長期的な不眠は、生活上の出来事や習慣によって引き起こされることが多く、主な原因には次のようなものがあります。
- ストレス——仕事、学業、健康、金銭、家庭に対する心配は、夜間に思考を混乱させ、入眠を難しくします。家族の死や病気、離婚、失業といったストレスの大きい出来事も、不眠につながる可能性があります。
- カフェイン、ニコチン、アルコール——コーヒー、紅茶、コーラなどのカフェインを含む飲み物は興奮作用があります。夕方や夜に摂取すると、睡眠に影響することがあります。たばこ製品に含まれるニコチンも睡眠を妨げる要因とされます。アルコールは一時的に眠りを助けることがありますが、その後、深い睡眠を妨げ、夜中に目が覚める原因になることがよくあります。
- 旅行や勤務スケジュール——体内時計は、睡眠と覚醒の周期、新陳代謝、体温などの生理的過程を制御しています。これらのリズムが乱れると、不眠につながることがあります。例えば、時差のある旅行による時差ぼけ、早朝勤務や夜勤、頻繁なシフト変更などです。
- 不適切な睡眠習慣——就寝時間と起床時間が不規則であること、昼寝を長くしすぎること、就寝前の活動が多すぎること、寝室環境が快適でないこと、ベッドで仕事や食事をすることなどが含まれます。また、就寝前にパソコンやスマートフォンを使用したり、電子ゲームをしたり、テレビを見たりする行為も、睡眠周期を妨げる要因になります。

- 夜に食べ過ぎること——就寝前に軽い間食を取ること自体は問題ありませんが、食べ過ぎると横になった際に不快感を覚えることがあります。また、多くの人が胃酸が食道に逆流して起こる胸の灼熱感である胸やけを経験し、さらに入眠しにくくなることがあります。
- 心の健康問題——不眠は、精神的な健康問題と同時に起こることがよくあります。例えば、心的外傷後ストレス障害は睡眠を妨げることがあります。早朝覚醒は、うつ病の兆候である場合もあります。
- 病気——不眠と関連する病気には、慢性的な痛み、がん、糖尿病、心臓病、喘息、胃食道逆流症、甲状腺機能亢進症、パーキンソン病、アルツハイマー病などがあります。
- 薬——多くの処方薬は睡眠に影響を及ぼすことがあります。例えば、一部の抗うつ薬や、喘息や血圧を治療する薬などです。また、多くの市販薬にはカフェインやその他の興奮作用のある成分が含まれている場合があり、鎮痛薬、抗アレルギー薬、風邪薬、減量薬などが眠れなくなる原因となることもあります。
- 睡眠障害——睡眠時無呼吸症候群は、夜間に呼吸が断続的に止まることで睡眠が妨げられます。むずむず脚症候群は、入眠しようとすると強い脚の動かしたい衝動が生じ、入眠や再入眠を難しくします。
不眠を防ぐにはどうすればよいですか?
メイヨー・クリニックは、不眠を防ぐために、次のような良い習慣を身につけることを勧めています。
- 休日を含め、毎日決まった時間に就寝し、起床します。
- 活動的に過ごし、定期的に運動します。
- 昼寝の時間を制限するか、昼寝を控えます。
- カフェイン、ニコチン、アルコールの摂取を控えるか、避けます。
- 就寝前に食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしません。
- 寝室を、睡眠に適した快適な環境に整えます。
- 就寝前には、読書や静かな音楽を聴くなど、リラックスできる活動を行います。
(翻訳編集 解問)
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