格安航空会社（LCC）の航空券は従来の航空会社より安価で、特定の顧客を引きつけます。しかし、格安航空会社の飛行安全基準は運賃と同じく低いのか、格安航空の便は危険ではないかと疑問に思う人もいます。これらの問題について、専門家が詳しく説明しています。

 100カ国以上を訪れたフリーランスライター、アッシュ・ジャーバーグ（Ash Jurberg）氏は、『ハフィントンポスト』で、格安航空会社の便に乗ることは安い航空券のために安全を危険にさらすことかと述べ、答えは「いいえ」としています。

ジャーバーグ氏は、格安航空会社を利用して110カ国を旅したフライトの遅延は避けられず、座席の混雑や搭乗手続きの混乱もよくありますが、飛行安全については心配していないと述べました。

 彼は、ほとんどの旅行者が気づいていないのは、航空安全規制（飛行の安全を確保する規則）は妥協の余地がないことだと述べました。航空券の価格に関係なく、航空当局はすべての航空会社に同じ基準を課します。

格安航空の飛行安全問題を深く探るため、彼は他の数名の旅行専門家の意見を求めました。

格安航空の安全性は妥協できない

全米航空会社協会（NACA）の会長兼CEOで、元アメリカ連邦航空局（FAA）弁護士のジョージ・ノヴァック（George Novak）氏は、80カ国以上で航空安全業務に従事しました。彼は、ほとんどの市場で低価格航空会社は正規運賃の航空会社と同等に安全だと明確に述べました。

アメリカでは、第121部（Part 121、定期路線で大型機を運航する商業航空会社を対象とする）規制の対象のすべての航空会社が、アメリカ連邦航空局の同一規則に従います。ノヴァック氏は、「規模、収益、運賃体系に基づく例外はありません」と述べました。

 2018年9月3日、ウクライナのキエフ空港でライアンエアの航空機から降りる乗客たち。（アナトリー・ステパノフ/AFP via Getty Images）

彼は、この規制保護は世界中に及び、遠隔地の小規模航空会社でも最低限の安全基準を遵守しなければならないと述べました。「国際民間航空機関（ICAO）は、世界中の民間航空当局に対し、厳格な安全監査を実施しています。」

 Fast Cover旅行保険のCEO、ディーン・ヴァン・エス（Dean Van Es）氏は、格安航空会社はコスト削減策で利益を上げますが、飛行機の座席を増やす、点対点の路線を運航する、高額なハブ空港を避けるなど、表面的なもので、飛行安全を損わないと述べました。

これらの対策に加え、格安航空会社は機内アメニティや設備の削減、機内食の有料化、航空機のターンアラウンド時間の短縮、搭乗手続きの迅速化などでコストを削減します。
 

 保険会社は格安航空会社をどう見るか？

ジャーバーグ氏は、保険会社はリスクを正確に評価し利益を得るため、説得力のある独立した証拠を提供すると述べました。彼は何十回も旅行保険を購入したが、一度もどの航空会社に乗るか尋ねられたことがなく、その点に気づいたと語りました。

アメリカ最大の旅行保険会社Squaremouthの業務担当シニアディレクター、クリッシー・バルデス（Chrissy Valdez）氏は、「観光客が保険を購入する時、旅行保険会社はどの航空会社を利用するか尋ねません。それはリスク要因とみなされないからです」と述べました。

言い換えれば、保険会社は、格安航空会社と従来の航空会社の違いは運航方法にあり、安全リスクではないと考えています。
 

 なぜ旅行者はまだ不安に思うのか？

 旅行ブロガーのジェシカ・カメコ・ルークス（Jessica Kameko Rooks）氏は、「格安航空会社は、初めて利用する人から価格重視の人まで、さまざまな旅行者を惹きつけるため、旅行エチケットに慣れていない乗客に出会うことがあります」と述べました。

彼女は、これで格安航空の旅行体験が「粗雑」に感じられるかもしれないが、航空会社の安全基準を反映しないと説明しました。

ジャーバーグ氏は、乗客が粗雑なサービス、混乱した搭乗手続き、最安値の価格を経験すると、すべての部門が手抜きをしていると考えるのは自然だが、真の安全は厳格な監督の下で実現されると述べました。

 ルークス氏は言いました。「格安航空への不安から、負担できる予算で予約できない人が多いです。旅行者が『安価』が危険を意味しないと理解すれば、世界は想像以上に身近だと気づくでしょう」と述べました。