多くの人が高齢者のそばを通ると、独特のにおいを感じます。俗に「加齢臭」として知られています。このにおいは主に代謝、食生活、生活習慣に関係しており、日常の生活リズムや食事を見直すことで改善できる可能性があります。
加齢臭の原因となる重要な物質は「2-ノネナール」です。年齢を重ねると、皮膚の代謝や抗酸化力が低下する一方で、不飽和脂肪酸の分泌が増加します。この脂肪酸が酸化すると2-ノネナールが生成されます。2-ノネナールは揮発性があるため、高齢者が体を動かしにくい、あるいは清潔を保ちにくい場合、体に残るにおいがより強く感じられるようになります。
三つの要因が加齢臭を強める
台湾の明悦中医診所の朱益智医師によると、自然な老化以外にも、次の三つの要因が加齢臭を悪化させるといいます。
1. 病気の要因
泌尿器系に不調がある場合(腎臓病や尿漏れなど)にはアンモニア臭が出ることがあります。糖尿病患者がケトアシドーシスを起こすと、腐ったリンゴのようなにおいがすることもあります。
また、体内には多くの共生菌が存在します。健康なときには問題を起こしませんが、体が弱ったり病気になると、細菌が壊死した細胞を栄養源として分解し、その際に異臭を発することがあります。これは体からの健康の警告サインでもあります。
2. 薬の影響
慢性疾患の薬を長期的に服用すると、腸や汗腺、睡眠に影響を与え、体臭を複雑にすることがあります。
3. 食生活の習慣
アイス、スイーツ、乳製品を多く食べると、体内に「寒湿」が生じやすく、淡いわきがのようなにおいが発生することがあります。
さらに、にんにくなど香りの強い食べ物を好む人は、年齢に関係なく体臭が強まりやすくなります。唐辛子やニラなどの辛味のある食品は発汗を促し、体内にたまった老廃物を外に排出することで体臭を拡散させる可能性があります。
お茶で代謝を促し、加齢臭を減らす
加齢臭を改善する核心は、代謝を高めて体を健康に保つことです。朱益智医師は、運動が最も効果的な方法であり、体の循環を促進すると同時に、汗をかくことで体内にたまった老廃物を排出できると述べています。
運動を好まない人は、温灸による発汗でも代謝を促せます。このときの汗は、最初は冷たい汗から始まり、その後ねっとりした汗が出て、最終的に温かく爽やかな汗へと変わります。
朱医師によると、代謝を促すお茶を飲むことでも、体のにおいを和らげる効果が期待できるとのことです。
代謝促進茶の処方:
- 半夏 6g
- 茯苓 10g
- 生姜 3片
- 肉桂 3g
- 黄芩 6g
- 薏苡仁 15g
- 山茱萸 6g
- 黒糖 10g
作り方:
- 薬材を鍋に入れ、800〜1000mlの水を加えて15分浸す。
- その後、強火で沸騰させてから弱火にし、15〜30分ほど煮る。
- かすを取り除いたら完成。
このお茶は1日1〜2回飲むことができ、1週間続けて飲むと体の循環が改善され、代謝がスムーズになりやすいとされています。
(翻訳編集 華山律)
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