欧州議会 越境弾圧に対抗する決議案を可決 中共の海外監視を念頭
欧州議会は6月16日、国境を越えた弾圧に対抗するための決議を採択した。決議では、越境弾圧の形態と対応方針について検討し、権威主義体制がヨーロッパ域内の民主主義と人権を侵害していることに強い懸念を示した。また、EUと加盟国に対し、連携を強化し、域外からの脅威に共同で対抗するよう呼びかけた。
この決議案は「越境弾圧への対抗 ヨーロッパの主権と民主的価値を守るためのEU戦略の構築」と題されたもので、特に中国共産党(中共)による海外での監視活動に焦点を当てている。決議は、中共が各種の海外組織を通じ、広範かつ組織的な監視、脅迫、強制帰国を進めていると指摘した。
また決議は、中共が学術界に圧力をかけ、チベットや台湾に関する研究を中止させようとしていることにも強い懸念を示した。さらに、台湾に関連する活動を中止するよう芸術家に求めるケースもあり、学問の自由と言論の自由を深刻に侵害しているとした。
関連記事
ドイツ検察当局が、ナチス政権下で迫害されたユダヤ人の子孫を装い、ドイツ国籍を不正取得した疑いで32人を捜査。少なくとも28人が中国籍で、偽造書類や架空の血縁関係が使われたという
欧州金属協会がEU本部前に棺を並べ、中国製部品の安値流入への対策強化を要求。欧州製造業の空洞化や雇用喪失への懸念が高まる中、EUの対中貿易措置の行方に注目があつまる
ベルギー検察は、半導体メーカーBelGaNの元幹部をスパイ活動の疑いで拘束した。窒化ガリウム半導体の知的財産や営業秘密が中国企業に流出した可能性を捜査
EUはグリーンランドに2億ユーロを投資すると発表した。通信、クリーンエネルギー、重要鉱物を重点分野とし、北極圏で存在感を強める中国共産党とロシアへの警戒も背景にある
軍も産業もエネルギーなしには動かない。脱炭素を急ぐEUと、エネルギー・産業基盤を確保する中国共産党。その差が、ヨーロッパの防衛力と戦略的自立を左右している