【漢方の世界】汗(二)―汗は「治療八法」の王様

【大紀元日本9月14日】本日は「」をテーマにした2回目。前回は、漢方でとらえた病的な汗を紹介した。起きている時にかく汗の「自汗」と、眠ってからかく汗の「盗汗」の2種類である。今回取り上げるのは、汗を使った治療法だ。

その前に、「治療八法」について触れてみよう。この「治療八法」とは、まさに文字通り病気治療に使われる8つの方法で、「汗、吐、下、和、温、清、消、補」のこと。このうち「汗、吐、下」は、「発汗法、催吐法、瀉下法」を指す。これらは体内の邪気を除く方法として、「三大宝」と称されるほど重んじられている。

では、どのような時に発汗法を使って治療するのだろうか。それは、概ね風邪をひいたときである。「寒」または「風」に当たって体が冷えた時、汗を掻いて体内の寒気を追い出すのである。

汗の出し方も、一様ではない。まずは「大発汗法」。寒気を追い出したい場合に麻黄(まおう)を用いて、玉のような汗を搔かせる。このほかには、「小発汗法」あるいは「解肌(げき)発汗法」がある。これは、筋肉内部にたまった邪気を追い出すために用いる療法で、筋肉をほぐしてからドロドロとした汗を出す。

日本人が漢方と聞くと、高価な漢方薬というイメージが強い。だが、間口が広く奥の深い漢方は、それだけにとどまらない。発汗、嘔吐、排便という人体の持つ機能を探究し、邪気を追い出す治療法まである。漢方は手に届かない高価な治療法などではなく、私たち庶民にとって実に身近なものといえよう。

詳しくは新唐人テレビ局の『漢方の世界』でご覧下さい。

 (翻訳・河合)