【大紀元日本1月25日】
「遺跡貸します!」財政難のギリシャが苦肉の策(AFP、2012.1.20)
財政危機に苦しむギリシャがユーロを稼ぐために、パルテノン神殿の建つアクロポリスの丘など、同国の最も重要な遺跡群の一部を広告会社などに商業写真の撮影等のために貸し出すことにしたという。3月に起こりうる史上最悪規模の債務不履行を回避するための「苦肉の策」と言える。
「苦肉の策」ということばは、日本でもおなじみの『三国志演義』の「赤壁の戦い」で、劉備・孫権連合軍が曹操軍を打ち破るためにとった「苦肉計」が語源だと言われる。
連合軍の周瑜(しゅうゆ)は配下の黄蓋(こうがい)を、軍に逆らったとして鞭打ちの刑に処した。重傷を負った黄蓋は、曹操軍に投降した。事情を聴いた曹操は黄蓋を受け入れたが、実はこれは周瑜と黄蓋が曹操を欺くために仕組んだ策略で、曹操軍に潜り込むことに成功した黄蓋は、艦隊や軍営に放火し、曹操軍を壊滅に追い込んだ。
この故事に見られるように、「苦肉計」とは、自らの体(肉)や味方を苦しめることによって敵を欺く計略のことだが、そこから生まれたと言われる日本語の「苦肉の策」は、「苦し紛れに考え出した手段」という意味で用いられる。「苦」という語からの連想によって派生したものと言われる。
ところで、「苦肉計」は、『兵法三十六計』の中で、「美人計」や「空城計」などと並んで、「敗戦計」(自国が圧倒的劣勢の場合に用いる奇策)の一つに挙げられている。
(瀬戸)
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