中国外貨準備高が3兆ドル割れ寸前、「市場介入が主因」
中国人民銀行(中央銀行)が1月7日に公表した統計によると、2016年12月31日時点で中国の外貨準備高は前月末比410億ドル減の3兆105億米ドルで、6カ月連続の減少となった。16年年間では3200億ドル減少した。市場関係者の間では、中国の外貨準備高が節目の3兆ドルを下回れば、資本流出の加速と、一段の元安の懸念が高まっている。
国家外為管理局(SAFE)は同日行われた記者会見において、外国為替市場で人民元の大幅な下落を食い止める目的で、人民銀行が頻繁に行った元買いドル売り介入が主因だと示した。また、ドル高が原因で他の通貨の資産価格が下落したことも原因だとした。
中国経済成長の鈍化、個人や企業が海外で投資と事業の拡大、米国ドナルド・トランプ次期大統領への期待感でドルが上昇したなどの原因で、元は対ドルで昨年年間で約7%下落した。
14年6月に4兆ドルと過去最高を記録した中国の外貨準備高について、市場関係者は3兆ドルを下回った場合、投資家や個人や企業の中国経済への懸念がさらに強まり、資本流出が一段と加速し、元は急激に下がる恐れがある。結果的に中国経済に大きな打撃を与えることになると予測する。
ロイター通信は、今後中国当局が外貨準備高を3兆ドル水準に維持していくのか、それとも元の対ドル為替レートが1ドル=7元台を突破しないように元安を抑えるのか、両者間で苦しい対策を迫られると分析した。
1月11日午前の上海外国為替市場(CNY、オンショア市場)で元は1ドル=6.925元台で推移している。一方、香港市場を中心とするオフショア市場(CNH)では、1ドル=6.9003元とオンショア市場と比べて元高ドル安で維持。
(翻訳編集・張哲)
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