(前稿より続く)私たち日本人も、始めからできたわけではない。
▼日本人は、あのすさまじい公害の時代を通じて、時代に即した「公」への姿勢を段階的に学び、状況を改善してきた。「水俣病」や「四日市ぜんそく」などの公害病の原因は当該の企業がつくったものだが、河川や湖水の汚染、海洋の汚染、あるいは大気の汚染は、企業ばかりでなく、生活排水やゴミ、乗用車の排気ガスなど一般からの廃棄物も主要因である。
▼ならば行政も企業も市民も、それぞれが実行可能な努力をして、総がかりで理想的な「公」の実現を目指さなければならない。そのために外国語による広報や教育も必要であろう。日本社会における民度のさらなる向上は、この一歩から始まる。
▼筆者は、中国の近未来を考えている。中共は消滅したが、荒れ果てた国土と人心が残った。書くことに憚りはあるが、この時点に至るまでに、中国は、人口の何分の一かが失われているだろう。中共が滅びるにあたっては、そういう結果もあり得る。だからこそ、中共が解体消滅される前に、中国人が自分の意思で中共脱党を表明するよう、我々は呼びかけている。
▼中国を、せめて基本的な生活に困らない程度まで回復させるにも、長い時間がかかるはずだ。中国社会が人間らしい秩序を取り戻すのは、至難のことと言わざるを得ない。
▼ただ、中共が存在しない中国になれば、中国人は、健全な信仰をもつことが可能となる。世俗の垢にまみれた既成の宗教ではない。純粋に、修煉によって自己を向上させることができる教え。それは中国社会を再生させ得る、唯一の道でもある。(3回了)
【紀元曙光】2020年9月27日
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