【紀元曙光】2020年10月6日

10月6日の産経WESTに、「本来の姿現す中国 共産党は一つの王朝」と題する岡本隆司氏へのインタビュー記事が載った。
▼岡本氏は京都府立大学教授で、専攻は東洋史、近代アジア史とのこと。同氏の論説を否定する意図は、本日の小欄にはない。ただ一点だけ、ぜひともご注意いただきたいことがある。現代中国を考察する際に、歴史研究者あるいは中国史に詳しい人は、往々にして、中国共産党の所業を過去の中国史のなかに求めて、「同じもの」を探す傾向がつよいのである。これは中共の場合、その本質を見誤るという意味で禁物なのだ。
▼専門家に限らず、日本人が中国史に詳しいのは結構なことだろう。ただし、知識には限界がある。現代中国に関しては、その事象の先例を過去の歴史に求めることはできないのだ。現政権である中国共産党は、思想体系からして外来物であるばかりか、それが中国人民にもたらした苦痛を数量にすれば、桁外れであるのは言うまでもない。
▼天をも恐れぬ中共は、宇宙の異星から来た邪神である。中共の党員は、それに魂を売った牛頭馬頭どもなのだ。ゆえに「中国だから中共になった」という結論づけは、繰り返すが、絶対に禁物である。
▼岡本氏の同記事に、小欄の筆者も部分的には同意する。ただ「中国共産党はひとつの王朝みたいなものといえるでしょう」という同氏の見解は、いささか浅薄ではないか。
▼中国歴代のどの王朝にも、中共ほど、人民を狂気に駆り立てた邪教性はなかった。ましてや国家ぐるみの「臓器狩り」や民族浄化などは、今の中共以外では起こり得ない。