長芋、山芋、いちょう芋、大和芋、自然薯(じねんじょ)などなど。
厳密に言えば同種類でないものもありますが、おいしさはどれも格別です。
長芋の旬は春と秋の2回ですが、スーパーには年間を通して並びます。秋だけの味覚ではないのですが、新米で炊いたご飯にかける「麦とろ」など秋の料理とよく合うので、やはりこの時季に活躍する野菜と言えるでしょう。
長芋は中国語で「山薬」と書きます。もちろん薬ではありませんが、長芋は体をよく養生するところから、そのように呼ばれています。
台湾では一時期「長芋を食べ過ぎると、がんの原因になる」という根拠のない説がネット上に出たことがありますが、長芋が体に有益でこそあれ、がんの原因になるということは全くありません。ただ、どんなものでも「食べ過ぎ」は良くない、ということは言えますね。
生でも、火を通してもおいしい長芋。そのなかには、腸を健康にし、血糖値を抑え、免疫力を高めるなど、多くの有益な栄養素がぎっしり詰まっています。
長芋がもつ5つのメリット
見た目は地味な長芋ですが、滋養にあふれた、すばらしい食材です。
台北慈済病院の栄養士である徐綉媛さんによると、長芋には、食物繊維やフィチン酸が多く含まれており、体に有益な「5つのメリット」があると言います。
1、腸を健康にする
「胃腸が良ければ、人は老けない」と言われますが、長芋は、まさにこのような恩恵を与えてくれます。
長芋に含まれる豊富な食物繊維は排便を促すことで、腸内壁と有害物質との接触を減らすとともに、便秘や痔核を予防します。また、長芋の粘りのある液は、便通を良くし、腸内の良い細菌の増殖を促進します。
2、血糖値の上昇を抑え、コレステロール値を下げる
長芋はデンプン質の食品であるわりに、血糖値の上昇を抑えることが明らかになっています。漢方医学の角度からも、山薬(長芋)は脾臓の気を補ってこれを強化し、血糖値を下げる効果があるとしています。また、長芋に多い水溶性の繊維は、血液中のコレステロール濃度を低下させます。
3、抗酸化、免疫力増強
長芋は多くのファイトケミカル(植物栄養素)、例えば、フェノール類、フラボノイド類、ポリフェノール、サポニンなどを含みます。病院栄養士の徐綉媛さんは、慢性疾患の多くは体内のフリーラジカルと密接な関係があるとしたうえで、「これらのフィチン酸は抗酸化、およびフリーラジカル除去に重要な作用を発揮します。また、免疫機能を活性化し、免疫力を高めます」と言います。
長芋を食べると、カリウムやマグネシウムなどのミネラルも補給されます。
4、タンパク質の補充
タンパク質は筋肉の成長を促進します。長芋は植物性タンパクの含有量が高く、人体に必要なアミノ酸も多く含んでいます。
5、タンパク質の補充
タンパク質は筋肉の成長を促進します。長芋は植物性タンパクの含有量が高く、人体に必要なアミノ酸も多く含んでいます。
さあ、今夜のおかずの一品は長芋で決まり、ですね。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)
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