人体がもつ免疫システムは複雑かつ多様で、しかも本当に不思議です。
以下にご紹介する9種類のハーブや食材は、私たちの体がもつ免疫系を保護し、その機能を高めるはたらきがあります。
風邪やインフルエンザの季節の前に、免疫力を高めるこれらのハーブを使用してもいいですし、季節を問わず体を最適な状態に保つため、日常的に利用することもできます。
ただ、いずれの場合も、できるだけ有機栽培のハーブを選びましょう。
1、キバナオウギ(Astragalus)
キバナオウギは、各種のストレスに対抗し、体内のバランスを調整するのに役立ちます。
ストレスは免疫系を損傷する重要な因子であるため、キバナオウギおよび同様の効果がある薬草の使用は、免疫機能の増強に役立つのです。
2、キンセンカ(Calendula)
キンセンカ(キンセンカ属)は、別名ポットマリーゴールドとも呼ばれますが、マリーゴールド(コウオウソウ属)とは属が異なります。
その花びらは、西洋では古くからハーブとして用いられており、各種の治療に使われる長い歴史を持っています。
キンセンカは抗ウイルス、抗炎症、抗菌、および抗酸化作用があります。その成分を配合した軟膏やローションは、軽度の火傷や外傷などの治療に利用されています。
3、エキナセア(Echinacea)
愛らしい花を咲かせるこの植物は、人の免疫機能を高める効果があるとされ、最も人気のあるハーブの1つです。
エキナセアは、とくに呼吸器感染症のリスクを低下させると言われており、小児、高齢者、感染症に敏感な成人など、もともとハイリスクのグループに対する効果が高いと言われています。
4、ニワトコの実(Elderberry)
ニワトコの実には、ケルセチンという抗酸化物質が豊富に含まれており、抗炎症性と抗ヒスタミン性も併せもちます。
2017年のある研究によると、ニワトコの実は「明らかな抗炎症作用を有する」という実験結果が得られたと言います。ニワトコの実も、インフルエンザに係わる各種症状に対応できる可能性が示されています。
5、ニンニク(Garlic)
「料理の王様」であるニンニクは、強い抗酸化作用を発揮するほか、比類のない抗ウイルス性と抗菌性を持っています。
人の免疫系に対するニンニクの有効性を示す研究は数多いですが、フロリダ大学の研究によると、「ニンニクのエキスは、風邪やインフルエンザによる症状の軽減、および学校の欠席や職場の欠勤日数を減らすことができる」と言います。
これらの研究は、熟成ニンニクの抽出物が「免疫細胞の機能を高め、風邪やインフルエンザの重症化を避ける効果がある」ことを示しています。
6、ショウガ(Ginger)
ショウガは、調理におけるスパイシーな香りと風味で知られているだけでなく、免疫系への効果的な補助の役割も果たします。
ショウガには抗ヒスタミン作用、抗菌作用、吐き気を軽減する作用などがあり、消化管の弛緩と免疫系の働きを助けます。
7、緑茶(Green tea)
免疫力を高めたいなら、緑茶を1日に数杯飲んでください。
カテキンは、緑茶に含まれる強力な抗酸化物質です。それらは、体に害を与えるフリーラジカルの破壊を助け、免疫機能を高めるとともに、肝臓が免疫物質を分泌するのを促進します。
8、薬用キノコ(Medicinal Mushrooms)
シイタケ、霊芝(レイシ)、マイタケなどを含む各種の薬用キノコは、その有効性で有名です。
これらのキノコのなかで、免疫力を高める主要な化合物は多糖分子のグルカンです。2014年の研究では、グルカンが含まれるマイタケとシイタケからの抽出物には、免疫反応を促進する作用があることが報告されています。
9、オレガノ油(Oregano oil)
オレガノは、地中海沿岸を原産とする多年草で、和名をハナハッカ(花薄荷)と言います。揮発性物質を豊富に含むオレガノ油は、免疫システムをサポートするとともに、腸環境を良好に保つことで知られています。
また、オレガノに含まれるカルバクロールは、ウイルス感染症のほか、炎症、アレルギー、寄生虫、腫瘍の症状にも改善効果が期待できるとされています。
(文・Andrea Donsky/翻訳編集・鳥飼聡)
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