ネットの噂を検証 オクラ水を飲むと血糖値が下がるのか?

血糖値をコントロールするためには、薬物療法とは別に、日々の食事が血糖値安定化の効果に深く関わってきます。糖尿病を治すために、インターネット上での噂を信じ、血糖値の薬を飲まずにオクラ水を大量に飲み、結果的に血糖値がコントロールできなかったり、カリウムが高くなる患者さんがいます。

オクラは「オクラ」「クロトン」「レディーズフィンガー」などとも呼ばれ、毎年5月から9月にかけて多く収穫されます。食物繊維が豊富で、糖質の吸収を遅らせて血糖値を安定させる働きがあります。

インターネット上でも「オクラ水を飲むと血糖値が下がる」という記事が話題になっていますが、本当に糖尿病患者の血糖値を下げることができるのでしょうか?

台湾衛生福利部(日本の厚生労働省に類似)国民健康局 慢性疾患対策課によると、オクラの血糖値低下作用は食物繊維だけでなく、オクラに含まれるフラボノイドによるものであることがわかりました。

2型糖尿病の治療は、バランスのとれた食事、運動、定期的な投薬、血糖値のモニタリングなどを中心に行い、コントロールすることを目標とします。

インドで行われた研究によると、糖尿病のラットがオクラの皮や種を粉末状にしてから水に浸して摂取した場合、オクラを水に浸した「オクラ水」を摂取した場合よりも血糖値、ヘモグロビン、SGPT、総コレステロール、トリグリセライドが低くなったそうです。

また、オクラを浸す水は透明できれいか、残留農薬はないか、長く浸け置きして細菌が繁殖しやすい水になっていないか、なども重要なポイントになると述べています。

しかし台湾衛生福利部 食品医薬品局は「オクラ水を飲むと血糖値が下がる」という噂に対して、「オクラ水が糖尿病患者の血糖値を下げる効果があることを裏付ける証拠はない」という記事を発表し、「信じ過ぎないように注意してほしい」と呼びかけています。

またアメリカ食品医薬品局(FDA)も、オクラは食品であり薬ではないので、糖尿病治療のための薬に代わるものではない、と注意を促しています。

糖尿病の治療には、薬物コントロールと食事管理の多角的なアプローチが欠かせません。

オクラ水を使用することを支持する根拠は見つかっていません。予防医学の観点からは、オクラを食べることはあくまで栄養補助食品としてであり、高血糖の治療薬として使うべきではありません。
 

オクラの調理法

青オクラは皮に細かい毛があり、中は粘液質なので、台湾ではあまり受け入れられませんが、日本では冷やして、カツオを散らし、醤油をかけたり、わさびをつけて食べることが多く、家庭料理として定着しているようです。

またオクラは冷やして食べたり、炒めたり、揚げたり、煮たり、サラダにしたり、星形に切って味噌汁に入れたりしますが、冷やしたり炒めたりする前に熱湯で3〜5分茹でて、渋みを抜くのを忘れないようにしましょう。

また、茹でたオクラをホイルに包んでオーブンで焼き、ハムとチーズをトッピングするのもおすすめです。オクラとチーズはともにカルシウムが豊富なので、カルシウム不足に悩む方に最適です。

(翻訳・井田千景)

曾晏均