老後のために腎臓を守り、デトックスするための3つのポイント (2)

腎臓は沈黙の臓器と呼ばれています。慢性腎臓病は初期には明らかな症状がありませんが、高血圧、貧血、気泡尿、浮腫、易怒性などの症状が現れたら、早めに医療機関を受診することが大切です。顏宗海氏もこれらの症状が現れたら、すぐ病院で検査を受けることを勧めています。
 

腎臓を守り、解毒し、老後まで健康に過ごすための3つのポイント

腎臓を大切にすることで、腎機能の早期低下を防ぎ、腎臓を長持ちさせることが出来ます。

1.腎臓の解毒と腎臓結石の予防のために、水をたくさん飲みましょう

毎日、適量の水を飲むことは、水溶性の毒素を体外に排出し、腎臓結石を予防するのに役立ちます。正常な尿は淡い黄色ですが、尿の色が濃くなってきたと感じたら、それは水分の摂取が不足していることを意味します。

普通の水の代わりにコーヒーや紅茶を使う人もいますが、飲みすぎは禁物です。カフェインの摂りすぎは交感神経を刺激し、動悸や血圧の上昇を引き起こします。 1日にコップ8杯(1杯250cc)、最大で2000cc以上の水を飲むことが推奨されています。特に暑くて汗ばむ季節には、3000cc以上の水をこまめに飲むことが大切です。

2.腎臓へのダメージを軽減し、解毒作用を助ける必須栄養素を食事で補う

野菜や果物、全粒粉、豆類、ナッツ類、種子類を豊富に含む常食に加え、卵、魚介類、白身肉、乳製品、ターメリック、緑茶を適量摂取すると、腎臓によい以下の栄養素を摂取することができます。

・カリウム:体内の余分なナトリウムを排出し、血圧をコントロールし、腎臓の細い血管の損傷を軽減する働きがあります。

・食物繊維:糖尿病のリスクを低減し、脂溶性の毒素を体外に排出するのを助けます。顏宗海氏は、人体は大きな環境であり、肝臓と腎臓の健康状態は互いに影響し合っていること、肝臓で代謝された脂溶性化合物は糞便に排泄されることを説明しています。

・抗酸化作用のある栄養素:ビタミンC、ビタミンE、ケルセチン、プロアントシアニジン、クルクミン、カテキン、亜鉛など、これらの栄養素の抗酸化作用や抗炎症作用は、体内の活性酸素によるダメージを軽減し、糸球体や尿細管へのダメージを軽減し、尿酸値を下げて、腎臓を保護する効果が期待できます。 [12][13][14][15]

腎臓病のない75歳以上の女性を対象に、プロアントシアニジンの摂取量と腎機能の関係についての研究が行われました。5年間の追跡調査の結果、プロアントシアニジンを多く摂取している女性は、腎臓病のリスクが65%低いことがわかりました。 [16]

亜鉛には抗酸化作用のほか、重金属を体外に排出する作用があることが知られています。 書籍『Biomedical Applications of Metals(金属の生物医学的応用)』によると、亜鉛は吸収を抑え、酵素の結合を競合させることで、異なる金属によるダメージから保護します。例えば、亜鉛は鉛の体内吸収と排泄を改善し、塩化水銀の影響を軽減するなどの作用があります。もちろん、亜鉛の過剰摂取による好ましくない副作用を避けるために、バランスよく摂取することが大前提です。 [17]

 

亜鉛は抗酸化作用や抗炎症作用があり、体内の重金属を除去する作用もあります。(Shutterstock)

 

また、加工食品を控えてリン酸塩の摂取を減らすことも重要です。

3.毒素が体内に入る機会を減らし、腎臓への障害を回避する

喫煙、飲酒、薬物乱用を避けることに加え、鮮やかな色の食器の使用を避けることは、腎臓へのダメージを減らすのに有効です。

鮮やかな色の食器やストローを使用すると、塗料に含まれる鉛が食品に溶出する恐れがあります。メラミンが熱や酸にさらされると食品に流出し、低濃度のメラミンでも腎臓結石の原因となることがあります。 [18]

また、有害物質の残留を避けるため、メラミンを含む技術用スポンジを使用して食品容器を洗うことは避けてください。

(翻訳・香原咲)

蘇冠米