今回は、スウェーデンボルグが見た天国の婚姻関係についてご紹介します。
最上層の天国の夫婦
ある日の早朝、スウェーデンボルグが天を仰ぐと、目がくらむような光が降り注ぎ、中から、白い馬に引かれたダイヤモンドのように美しく輝く馬車がゆっくりと降りてきて、中には2人の天使が立っていました。
2人は、自分たちの楽園を持ち、太古の昔から、常に青春を保ち続け、天国で幸せに暮らしているといいます。最上層の天国では、男性は智慧を持ち、女性は智慧に対する愛を持っています。2人の結合は、すなわち真理と善の結合です。
黄金時代の婚姻
太古の昔、天使はよく人間界を訪れ、人間と親しく接し、天使たちはその時代を「人間の黄金時代」と呼んでいました。
結婚する運命の2人は同じ時期に生まれ、成長するとどこかで出会い、相手が自分の夫(妻)となることを感づきます。そして、双方の保護者の許可を得て婚姻を結び、年長者の祝福を受けながら盛大な結婚式を挙げます。これらの手順のうち、ひとつでも欠けてはならず、秩序を乱すと、結婚生活は幸せなものにならないと信じられていました。
白銀と青銅時代における婚姻関係】
黄金時代を経て、世界はまだ天国と接触していますが、それほど親密ではなくなりました。この時代を白銀(はくぎん)時代と呼んでいます。
この時代の家は大理石でできた宮殿のように佇んでいて、その中のある家を尋ねると、ある夫婦が2人を迎えました。2人によると、結婚とは真と美の結合であるといいます。夫は妻を、妻も夫を愛していればいいのであって、そうでなければ婚姻生活は解消されるのです。
白銀時代も過ぎ去り、人々は次第に地上のことに執着するようになり、天国との関係を断ち切り、青銅時代へと突入していきます。 その日、天使はスウェーデンボルグを巨人に守られた森に導き、そして広大な都市にたどり着きました。
街のある賢者が「結婚は先祖の決めたルールに従ってこそ、幸せに暮らせるのだ」と、この時代における婚姻の意義を話しました。その中でも特に重要なのが、「相手に一途(いちず)である」ことです。したがって、ここでは一夫一婦(いっぷいっぷ)制が掟です。
鉄器時代とその後世の婚姻関係
金、銀、銅の3つの時代を経て、人間は徐々に堕落していき、天から学んだことの多くが失われていきました。 これが鉄の時代です。
鉄の時代の人々が天国で住む家屋は、レンガや木造で、街路や家屋は整然としておらず、一見、無計画に見えます。ここのある貴族によると、「1人、2人、3人、と妻を持っている男もいれば、更に多くの妻を持つ男もいる。なぜなら、われわれはさまざまなテイストを楽しみたいからだ。1人では単調すぎる」というのです。
ここの人々は黄金時代の価値観を理解することができません。
その後、2人はその後の時代を見に、恐ろしい森へとやってきました。森を抜けると、目の前に広がったのは日の光が差さない暗闇の町です。そこには、いくつかの小屋が点在していました。
意外なことに、ここの人たちは婚姻を一種の牢獄と考えていました。彼らは「われわれはその檻を壊し、奴隷の状態から解放された」と言い、笑いました。
そして、賢者と称する者たちが、「婚姻における愛は、信仰や神とは無関係だ。この点では人間と動物との間に大きな違いはない。つまり、妻と娼婦は同じようなものなのだ」と言ったのです。
人間界に返ってきたスウェーデンボルグは、「古来、最も神聖なものであった婚姻が、今や完全に堕落してしまったことを非常に残念に思う」と悲しくなりました。
このためか、スウェーデンボルグは生涯結婚しませんでした。
しかし、スウェーデンボルグの見聞録から分かるように、どのような婚姻生活を送るかはその人の気持ち次第です。幸せに暮らしたいのなら、一途に相手のことを大切にしましょう。気持ちは伝わり、通じ合うものです。
(つづく)
詳しくはEPOCH TVをご覧ください。
https://www.epochtimes.jp/2022/10/122939.html
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