G7サミットが19日午前に広島市で開幕し、各国首脳が平和記念公園に到着し始めた。写真はバイデン米大統領を待つ岸田首相。18日に広島で代表撮影(2023年 ロイター)

G7首脳が原爆資料館を視察へ、対ロ制裁強化 広島サミット開幕

広島市 19日 ロイター] – 主要7カ国首脳会議(G7サミット)が19日午前に広島市で開幕し、各国首脳が平和記念公園に到着し始めた。首脳らはこの後、平和記念資料館(原爆資料館)を視察する。ロシアがウクライナで核使用をちらつかせ、中国が核戦力を拡大、北朝鮮が核・ミサイル開発を加速する中、首脳らを出迎えた岸田文雄首相は「核兵器のない世界」の実現に向けた機運を盛り上げたい考え。

広島サミットは3日間にわたる会合で、ロシアへの制裁強化やウクライナへの支援継続で結束を確認する。米当局者によると、G7各国は新たな対ロ制裁と輸出規制を課す準備を進めている。英国はロシア産ダイヤモンドや銅、ニッケルなどの禁輸を提案する見通し。一方、中国を巡っては「経済的威圧」などへの懸念を議論をするが、各国で温度差があり、一致したメッセージを出せるかどうかが焦点となる。

首脳らが訪れる平和記念資料館は、被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料を展示するとともに、広島の被爆前後の歩みなども紹介している。G7のうち米国、フランス、英国は核保有国だが、岸田首相は核軍縮に向けた取り組みの「原点」として被爆の実相をしっかり伝えたいと述べていた。

G7首脳はこの後、昼食会を兼ねて行われるセッションで世界経済に関する認識を共有。生成AI(人工知能)や防衛分野の議論も行う。午後のセッションではウクライナ情勢、夕食会ではインド太平洋など地域情勢や核軍縮・不拡散など外交・安全保障をテーマに協議する予定。

(杉山健太郎、Jeff Mason、Trevor Hunnicutt  編集:久保信博)

関連記事
中華民国の新政権就任式に向け、台湾日本関係協会の陳志任副秘書長は7日、外交部の定例記者会見で、20日に行われる頼清徳次期総統の就任式に、現時点では各党・会派から37名の日本国会議員が37人が出席する予定だと発表した。過去最多の人数について「日本側は新政権をとても重視している」と歓迎の意を示した。
中国共産党の統治に反感を抱く中国人が続々と東京に集っている。識者らは、辛亥革命時に日本人が孫文らを支援した歴史を想起し、「義を見てせざるは勇なきなり」の精神で中国人と付き合うべきだと指摘した。
亜細亜大学の范雲濤教授(61歳)=中国籍=が昨年2月に中国へ一時帰国した後、行方不明になっている。政府に対してもっと積極的な対応を求める声が高まってる。松原仁氏は24日の衆院外務委員会で、上川陽子外相に対し、范雲濤教授の失踪について外務省の対応を問いただした。上川外相は、3度質問したにもかかわらず、ノーコメントで答えることを繰り返し、中国に対し口をつぐむ、具体的な対応は公表していなかった。
中華民国の次期総統、頼清徳氏は、4月30日台湾を訪問した自由民主党の鈴木貴子青年局長一行との会談した。総統府によると、頼氏は、5月20日に総統に就任した後も、「各方面での協力関係をさらに強化することを期待している」と述べのに対し、鈴木貴子衆院議員は日台関係は今後、「必ずさらに強固になるだろう」と応じた。
外務省が最新の「日本2024年版の外交青書」を発表した。中国との関係において「互恵的」であることを再確認しつつ、中国の軍事的脅威の増大に対する日本の懸念を強調した。