米国の医師は睡眠の質が悪いことが老化を加速させる最大の原因だと警告している

睡眠の質が悪ければ、老化が加速する!?

誰も青春時代がいつまでも続き、老化がやって来ないことを望んでいます。しかし、遺伝による老化だけでなく、ライフスタイルも老化を招くと警告する米国人医師もいるのです。アンチエイジングの面で、睡眠の質が悪いことは、老化を加速させる深刻な原因であり、夜更かしや不規則な生活が、最大の間違いになりえると警告しています。

米ニューヨーク市で勤務する長寿・再生医学(regenerative medicine)の医師、ニール・パルヴィン(Neil Paulvin)氏はCNBCのウェブサイトで、多くの人々にはまだよく知られていませんが、老化過程は内外の2つの面に分けることができると書いています。

内因性の老化は遺伝的要因によるものであり、外因性の老化は飲酒、喫煙、食事、運動、ストレス管理などの生活様式の選択に帰することができます。

ボルヴィン氏によると、診察の対象に企業の上級管理職、選手、有名人が含まれているのですが、長年の経験から、睡眠の質が悪いことが、老化を加速させる最も重要な原因だと考えています。

彼は、寝ている間に、人は人体を自己修復するのだと説明しています。毎晩7 ~ 8時間寝ることで、細胞と組織の健康、認知機能、免疫力、体力、新陳代謝の改善を行っているのですね。

しかし、現代人はさまざまな原因のために睡眠時間を犠牲にする事が多く、高血圧、憂鬱、肥満、脳卒中、糖尿病、心臓病などのリスクを高めてしまっているのですね。加えて、以下の3つのデメリットを発生させているのです:

 

眠れない老人(プラナ / PIXTA)

(1)認知障害――短期的に言えば、睡眠不足は動作技能の低下をもたらし、メッセージ処理速度が遅くなり、注意力と情緒制御力が低下し、判断力も損なわれます。長期的には、睡眠不足は認知能力の低下、記憶力の衰え、アルツハイマー症にかかるリスクを高めているのです。

(2)免疫力の低下――免疫力は人体の最初の、外敵に対する防衛線です。睡眠中に免疫系の仕組みが細胞を増殖させ、外来病原体への抵抗力を増強してくれるのです。睡眠サイクルが終わると、これらの細胞は体に必要な部位に移動して備えます。しかし、睡眠不足の場合には、この防衛線で、外来侵入者に対して効果的な抵抗ができないのです。加えて、病気の回復時間も長くなる可能性があるという研究結果もあるのですね。

(3)しわの発生、皮膚の早期老化――皮膚は多様なタンパク質から構成されていて、コラーゲンやエラスチンを含みます。これらのタンパク質が、肌の引き締めと豊満さを維持しているのですが、年齢を重ねるにつれて、睡眠不足がコラーゲンやエラスチンの品質と強靭性に悪影響を与え、しわの出現や、皮膚の弛緩下垂を引き起こす可能性があると指摘されているのです。

ボルヴィン氏によると、睡眠の質が悪いと老化は加速します。ライフスタイルを変えるだけで睡眠の質が改善され、よく眠ることは老化を遅らせる最善の方法だといいます。これに対して、彼は6つのコツに言及しました:
 

睡眠の質を改善することで老化を遅らせることができる(polkadot / PIXTA)

●ディスプレイ(電子モニター)に触れる時間を減らす——画面が発する青色光は、睡眠に不利に働き、特に、就寝前に見ない方が良いのです。

●カフェインとアルコールの摂取制限——睡眠品質を維持するために、就寝する8時間前にカフェインを取らないようにして、且つ、3時間前には飲酒を避けることです。

●規則正しい睡眠時間——これで正常な体内生理時計を堅持することができます。

●起きたらすぐに早朝の日光を浴びる——目が覚めてから、今は朝だと体がわかるようにすると、生理時計を調整することができます。これは就寝時間をもっと早くするのに役立ちます。

●寝る前にリラックスする習慣を身につける——寝る前にリラックスできる習慣を定着させます。例えば、読書や熱いお風呂に入ると、眠りのサインを体に分からせて、自分が眠りやすいようにすることができるのです。

●寝室の安眠条件を作る——寝具、アイマスク、その他のリラックスに役立つものを使うと、睡眠に役立ちます。