視力の維持: 老眼、近視、ドライアイを克服するための古代の治療法(上)

マッサージ、ハーブティー製剤、耳鍼(じしん:耳へのハリ療法)は、老眼近視ドライアイ、眼精疲労など、さまざまな目の問題を改善する可能性があります。

老眼、近視、ドライアイ症候群、眼精疲労など、さまざまな目の問題があらゆる年代の人々を悩ませています。加齢に伴う目の症状に加え、一日中画面を見続けるのは、健康な目でなくても悪化させる可能性があります。ツボマッサージ、ハーブティーの飲用、毛様体筋(目の調節をつかさどる筋肉)のエクササイズ、耳鍼などの伝統的な自然療法は、思わぬ効果をもたらすかもしれませんよ。

伝統的中医学のアイケア: 肝と腎を養うこと

中国伝統医学(中医学)では、経絡とは人体のエネルギー(気)が流れる経路とされています。経絡は全身に気を運ぶ役割を担っています。身体には12の主要な経絡があり、それぞれが特定の臓器に対応しています。経絡の活動は特定の時間と経路(体内時計)に従っており、1日をおよそ2時間づつで表す「時辰」(現代ではそれぞれ2時間を表す)に一致しています。それぞれ2時間の間に、特定の臓器に対応する経絡は、その臓器の生理的機能が高まるとともに、活動が活発になります。

中医学では、目の健康は肝臓と腎臓の働きと密接な関係があると考えられています。特に肝経と腎経との関係は強いのです。つまり、肝臓と腎臓の健康を養うことが、目の健康を維持するための第一歩なのです。

睡眠習慣を確立する

夜更かしは胆嚢、肝臓、腎臓を傷つけ、腎虚を招きます。老眼の人の多くは腎虚の傾向があり、眼精疲労や、目の乾き、痛み、充血、涙などの問題を起こしやすいのです。お勧めのやり方は:

  • 規則正しい睡眠をとり、夜更かしを避けること。午後11時から午前1時の間には眠るようにし、午前1~3時までは深い眠りにつくようにしましょう。
  • 指をマッサージすること。親指の脾経、人差し指の肝経、小指の腎経のツボは目に繋がりがあります。この3本の指をマッサージすると、目の気と血液の流れを調整し、目の不快感を軽減することができます。

目の周りの5つのツボをマッサージして、老眼とクマを改善

経絡に沿って、ツボと呼ばれる特定のポイントがあり、それぞれ独特の機能を持っています。中医学のツボマッサージは豊富な歴史を誇ります。図に示すように、目の周りの5つのツボを直接マッサージすると、眼精疲労や不快感を緩和するのに役立ちます。

 

 

(koti / PIXTA)

ツボの場所

• 魚腰:まゆの真ん中下の少しくぼんでいるところ

• 瞳子髎:目尻のさらに指1本分外側

• 承泣:の中心の下で骨の縁にあるくぼみ

• 晴明:目頭の内側のやや上方にある窪んだところ

• 攢竹:眉頭のすぐ下にあるくぼんでいるところ

マッサージ方法:

人差し指を丸めて、関節でこれらのツボを軽く押して、順番に押し続けます。毎日何十回、例えば20回あるいは40回押すと、すぐに老眼を緩和して、同時に目のクマを改善する効果があります。

クマを改善するハーブティー

クマは多くの人の悩みの種で、疲れて老けて見えます。クマの原因は、目の周りの血行が良くないことです。つまり中医学で言う「気滞血瘀(気と血の流れが滞った状態)」で、目の周りの肌の老化が加速され、まぶたの目尻が緩んでクマになるからです。睡眠不足、夜更かし、目の酷使、アレルギーやドライアイなどでクマになりやすいです。

以下の5つの薬草から作られたお茶を飲むと、クマを緩和するのに役立ちます。

•  白菊花(しらぎくか):熱を清め、毒を解き、目を明るくし、目のかすみを改善します。枸杞(クコ)と組み合わせて目を保護する効果があります。

• クコの実:繊維質とルテインを多く含み、肝臓腎臓を補い、目を保護します。

黄耆(おうぎ):気と血液を養い、気と血液の流れを整えます。

• 丹参(たんじん):血行を良くし、うっ血を取り除き、血液循環を促進し、血管を軟化させ、新しい血の形成を促進します。心血管疾患の発展を防止する働きがあります。

• 甘草:さまざまなハーブの間で調和の役割を果たします。

作り方

5種類の生薬を混ぜ合わせ、1リットルの水を沸騰させ、15~20分煮込んで出来上がりです。

働き:

このお茶は眼精疲労や不快感を和らげ、目の老化を遅らせるのに役立ちます。

古代中国の書物には、クコの実と白菊を組み合わせた処方が、優れた目の保護薬として記されています。これらの成分は錠剤に加工され、定期的に摂取することで眼病を予防できると信じられています。また、クコの実は凍らないので、冷凍庫に入れておけば、食べたくなったときにすぐ食べられます。レーズンに似た甘い味がします。

(つづく)