務台俊介衆議院議員はエポックタイムズの取材に対し、地元の日中友好協会から脱退した経緯について語った(Wenliang Wang/大紀元)

「議員こそ矢面に立つべき」 務台俊介衆院議員、真の日中友好の在り方を指摘

日中友好協会の活動内容は、中国共産党や中国大使館のプロパガンダの垂れ流しになっている」。務台俊介(むたい・しゅんすけ)衆院議員はこのほど、エポックタイムズの取材に応じ、日本の各地域にある「日中友好協会」の役割について、本来の日中友好の精神に立ち返るべきだと指摘した。

務台氏は先日、地元・長野県の日中友好協会を退会した。「日中友好協会は中国共産党の人権侵害や宗教抑圧、アルプス処理水への非難などには一切触れない」とし、「真に日中友好を唱えるならば、問題意識を持ってダメなことにはダメだと言わないといけないのではないか」と問題視した。

日中友好協会主催のイベントには、中国の大使や外交官が登壇し、中国共産党の立場を来場者に向けて発信する。当時、日本大使を務めた王毅外交部長が来ることもあった。

日中友好協会がなぜ、中国共産党に対して遠慮し、宥和的なのかについて務台氏が問うと、協会幹部は過去の大戦を振り返り「日本が昔やったことに比べたら…」と言葉を濁した。

「日本は中国に対して、大陸進出して迷惑をかけたという贖罪意識がある。日本がODA(政府開発援助)で中国の経済発展を支え、知的財産をコピーされるリスクを覚悟しながら進めたのも、このことが根底にあるのではないだろうか」と務台氏。「しかし、現在の発展した中国は、まるでアラジンと魔法のランプに出てくるジーニーのように、異形の姿になってしまった」

務台氏によると、日中友好協会の幹部には、中国に対して一種の憧れを持つ世代も多く、「世代交代しないと変わらないのではないか」との見方も示した。

中国共産党は世界戦略の一環として、各国に浸透工作を仕掛けてきた。「中国(共産党)に対する批判的な行動は全て監視され、ハニトラやマネトラで身動きが取れない日本人も多いのではないか。マスコミの多くも中国案件については正面切って取り上げない傾向も見てとれる」とし、中国共産党の情報戦の周到さを指摘した。

そして「日本人が声を上げにくいことについては、私たち政治家が矢面に立たなければならない。政治家がおかしなことはおかしいと率先して言わなければならない」と自らの役割を語った。

務台氏は、現代中国で社会道徳が荒廃している様子にも着目し、日本人が培ってきた伝統的な道徳規範を中国に「輸出」すべきだと語った。

「お天道様が見ている、嘘をついてはいけない、清潔にしないといけないといった、日本人にとって当たり前の倫理観こそ輸出すべきだ」と務台氏。「重要なのは身を正すといった日本の伝統的な価値観だ。日本的な道徳観や思想こそ海外展開が行われるべきであり、これは技術やインフラよりも大切なものだ」。

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