アメリカのシニア世代が語る「幸福で長生きする秘訣」

多くの人が長生きして幸せになりたいと願っていることでしょう。これはどこの国の人にとっても共通の願いです。実は長生きして、かつ幸せになるには秘訣があるのです。アメリカの学者はシニア世代を対象に、長期にわたって調査を行い、彼らの経験や生活習慣などを書籍にまとめました。 

コーネル大学の社会学者であり、老年学者でもあるカール・ピレマー氏は、『30の人生の教え――最もかしこいアメリカ人から誠実なアドバイス』という本を出版し、それによると、70歳以上の高齢者若者よりもずっと幸せであるという。 

ピレマー氏は職業柄から、大勢のシニア世代と会談したり、カウンセリングなどを行っています。その中には、愛する人を失ったり、困難な生活を送ったり、深刻な健康問題を抱えたりしている人もいます。しかし、それでも彼らは自分の意志を貫き、自分らしく生きて、人生を楽しんでいます。 

このことから、多くのシニア世代は、おそらく若者たちが知らない、理解しないことをその人生の中で見てきて、そして、理解しているのかもしれないと考えたピレマー氏は、7年間にわたる研究を行いました。 

人生は短い:後悔に時間を費やさないこと 

ピレマー氏のこの研究から、幸せで長生きしている年配の方からの最初の教えは――「時間は限られている、いつまでも後悔の念に囚われてはならない」

「時間は限られている、いつまでも後悔の念に囚われてはならない」(jessie / PIXTA) 

ピルマー氏の研究によれば、回答者の年齢が高いほど、人生はあっという間だと言う傾向が強いのです。そして、これらのシニア世代が人生は短いと言うとき、悲観的になっていないのです。彼らは、若者たちがこのことをしっかり意識することで、より良い決断を下し、本当に重要なことを優先するようアドバイスしています。

そして、調査に答えてくれたシニア世代が最も後悔していることは、実際に起こらないことを心配することだと言います。ある高齢者は、「余計な心配は人生を無駄にしているだけだ」と言いました。

ある男性は、「60代ではなく30代のころにこのことを知っていれば、人生を楽しむ時間がもっとあったかもしれない」とピルマー氏に語りました。

あなたにとって最も価値のあることをしよう

ピレマー氏のシニアたちへのインタビューに基づいて、彼らが時間を費やすべきだと思っていることをまとめました:

(1)好きな仕事に従事すること。

(2)慎重にパートナー(将来を共に過ごす相手)を選び、急がずに徐々に関係を深めていくこと

(3)親や子供、家族と過ごす時間を増やすこと。

(4)高価な買い物をして一時の楽しみよりも、毎日を楽しむこと。

(5)あなたにとって大切な人と良く話すこと。 

親や子供、家族と過ごす時間を増やすこと(kikuo / PIXTA) 

面白いこと、悲しいこと、愚痴をこぼす、相談など、メールやメッセージなどの文字ではなく、人間はコミュニケーション(話し合うこと)で仲が深まるのです。 

幸福は選択であり、条件ではない 

ピレマー氏は、研究で訪れたシニア世代が「困難に陥っても幸福で充実した生活を送る方法を知っている最も信頼できる人生の専門家」であると言います。 

彼は、ある高齢者になぜいつも幸せでいられるのかを尋ねました。その女性は「この89年の人生の中であることを学びました。それは、幸福は選択であり、条件ではないのです」 

ピレマー氏によると、これらの高齢者は、遭遇する外的な力や出来事と、幸福に対する内面的な態度を区別することができると言います。 

「幸福とは、外的な出来事に左右される受動的な条件でもなければ、その人の個性によるものでもない。もしろ、視点を変えることを意識して、楽観的に毎日を過ごすこと、絶望ではなく、常に希望を抱くことを意識することが、幸福を手に入れる鍵となる」 

「人生で何を追い求めるか、何を優先すべきかを認識することが大切です。そうすることで、自分の時間、気力、資源をうまく活用できるのです」

陳俊村