中国の25歳の女性(江蘇省蘇州市)が老人ホームに住んでいることが注目を集めている。
女性は大学卒業後、国有企業に就職。月給は約5千元(約11万円)。しかし市内のワンルーム家賃は約2千元で、給料のほぼ半分が住居費に消えていた。食費や交通費を払うと、給料はほとんど手元に残らない生活だったという。
そんなとき、ネットで老人ホームの若者ボランティア募集を知った。35歳以下で市内に持ち家がないことなどが条件。選ばれた若者は、高齢者の話し相手や体操、イベントの手伝いなどを行う。3か月で45時間のボランティアをすれば、月200元(約4500円)で約20平方メートルの個室に住める。同じ広さの部屋を通常の賃貸で借りれば家賃は約2千元かかり、実に10倍の差があるという。
この企画には40~50人が応募し、選ばれたのは5人だけだった。現在も住み続けているのは彼女一人だという。
女性は「ここにいると気持ちが楽になる」と話す。職場では努力が十分に評価されないこともあるが、老人ホームでは感謝の言葉を直接かけてもらえるという。家賃の安さ以上に、温かな交流が心を満たし、慣れない土地で抱えていた孤独も和らいだという。交流を通じて多くを学び、以前より精神的に強くなったとも語っている。
ネット上では「若者の住宅難と高齢者の孤独を同時に解決する良い仕組みだ」と評価する声がある一方、「高齢者施設の部屋を若者が使うのはどうなのか」と疑問の声も出ている。
中国では新卒の平均初任給は6千元(約13万円)未満とされ、大都市では家賃が収入の40%を超えることも珍しくない。
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