名前は「オラフ」というアヒルはすべての家族を失った後、「スヴェン」というニューファンドランド犬と素晴らしい友情を築きました。
2020年から始まったコロナによるロックダウンの期間中、アヒルの「オラフ」はオクラホマ州の農家に住む夫婦に引き取られ、しばらくの間、家族とともに幸せに暮らしていました。しかし、まだ夜が寒かった3月のある夜に悲劇が起こりました。オオカミが柵の弱い部分から侵入し、「オラフ」以外のアヒルはすべて食べられてしまったのです。
35歳の飼い主ジェシー・ヴァリエさんは、本紙「エポックタイムズ」に「まだ寒かったため、アヒルたちを一か月ほど夫のオフィスに置いていました。その後、カモたちを安全に飼えるよう、柵でしっかり囲った場所に移動させたのですが、まさかこんなことになるなんて…」と嘆きました。
夫婦がアヒルを引き取った同時期に、ネブラスカ州にいた5か月の子犬「スヴェン」も彼らの農場に迎えられました。コロナの影響で、前の飼い主が生活に困窮し、子犬の世話ができなくなったためです。
ヴァリエ夫人は馬の調教師であり、乗馬のコーチでもあります。彼女は「助けが必要な動物を見捨てることはできない」という強い意志を持っています。
子犬「スヴェン」を迎えた2、3週間後、「オラフ」は家族を失いました。ヴァリエ夫婦がアヒルをどう慰めるか悩んでいた時、子犬とアヒルの間に特別な絆が生まれました。「オラフ」は体の大きな子犬に興味を持ち、「茶色の大きなぬいぐるみ」のような「スヴェン」の後をついて回り始めました。やがて2匹は親友のような存在になったのです。
ある日、ヴァリエ夫人は、子供用プールで一緒に遊んでいるアヒルと子犬の姿を見て、その友情の芽生えを感じ取りました。
「スヴェン」はプールに横たわっており、その隣には「オラフ」も寄り添っていました。水遊びという共通の趣味が、子犬とアヒルが仲良くなるきっかけとなり、間もなく2匹は親友になりました。
「親友ではあるけれど、性格は随分違うんです」とヴァリエ夫人は微笑みました。
ルーアン種のアヒルである「オラフ」は、「わがままで自己主張が強い」性格で、その動きはまるで農場を管理しているかのように見えます。
「ニワトリや犬など、農場にいる他の動物たちを守るために、自ら体を張って危険を追い払おうとする、たくましいアヒルです。みんなの世話をしようとしているんですよ」と、ヴァリエ夫人は「オラフ」を褒めました。
一方、子犬の「スヴェン」は体は大きいでのすが、性格はおとなしく、とてもかわいらしいです。子供や他の動物たちとも仲良くしています。
ヴァリエ夫人は「スヴェンは全然興奮しないし、元気いっぱいに走り回って、疲れるとすぐに寝転がります」と、子犬のことも称賛しました。
「アヒルと子犬はとても親しく、互いに大切にしています。『オラフ』はいつも『スヴェン』を可愛がっている人に頭を突っ込んで、まるで嫉妬しているかのように追い出そうとします。さらに、『スヴェン』のよだれを拭いてあげるのも好きで、その姿はまるでアヒルが子犬の歯磨きをしてあげているように見えるんです」と、ヴァリエ夫人は笑顔で語りました。
「時には『スヴェン』の毛並みを整えてあげることもあるんです」と飼い主さんは紹介しました。
もう一つの共通の趣味はボール遊びです。
「子犬にボールを投げると、アヒルも一緒に追いかけます。転んでもすぐに立ち上がり、我先にとボールを追いかけて行くんです」と、飼い主さんは微笑みながら話しました。
現在、どちらも4歳になりましたが、一度も喧嘩をしたことはありません。
「本当に仲良しなんです。時々『オラフ』が子犬を強く噛むこともありましたが、『スヴェン』は鼻で軽く押し返すだけで、攻撃的な行動は全く見せませんでした。最初はアヒルのいたずらだと思っていましたが、実は特別な意味があったんです」とヴァリエ夫人は言います。
ヴァリエ夫婦は、鳥類が特別な相手に印をつけるために噛む習性があることを知っていましたが、それを実際に目にするのは初めての経験でした。4年間続いてきた友情は、孤独だったアヒルと子犬の心を癒してきたのです。
ヴァリエ夫人は「本当に特別な友情です。その友情の輪の一員として私たちも光栄に感じています」と、嬉しそうに話していました。
(翻訳編集 正道 勇)
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