水は「命の源」とも言われており、正しい飲み方は健康維持にもつながります。専門家は、水源の清潔さを保つことが重要であるとしながらも、容器の材質や使用方法を誤ると、プラスチック粒子が体内に入り込み、健康に悪影響を及ぼす可能性があると指摘しています。
安全に水を飲むための四原則
米国毒性学会認定トキシコロジストであり、台湾・中原大学生物科技学科の副教授でもある招名威(しょう めいい)氏は、新唐人テレビの番組「健康1+1」に出演し、誤った水の飲み方が水質を悪化させる可能性があると述べました。飲み水の安全を確保するために、招氏は以下の4つのポイントを紹介し、推奨しています:
1.安全な容器を選ぶこと
ガラス製やステンレス製のボトルは安定した性質を持ち、安全性が高いため、優先的に使用しましょう。プラスチック容器を使用する場合は、耐熱性の高いポリプロピレン(PP)素材のものを選ぶことが推奨されます。
2.ペットボトルの再利用を避けること
極端な温度環境では、ペットボトルが変形・破損しやすくなり、プラスチック粒子が水に溶け出すおそれがあります。
3.プラスチック容器の過剰な洗浄を避けること
強くこすったり、化学洗剤を使用して洗ったりすると、プラスチックの構造が破壊され、マイクロプラスチック粒子が発生しやすくなります。
4.ろ過と煮沸を併用すること
逆浸透膜や活性炭フィルターを備えた浄水器でろ過した水を、さらに沸かすことで、水の安全性を高めることができます。
ペットボトルは安全でしょうか?
ペットボトルは市販の飲料水によく使用される容器ですが、招氏は「未開封で適切に保存されていれば、基本的には安全です」としつつも、リスクを高めるいくつかの要因についても指摘しています。
1.繰り返し使用すること
ペットボトルは、多数のマイクロプラスチック粒子を化学反応によって形成しており、再利用や外部からの圧力(たとえば洗浄など)によって、化学反応が不十分だったプラスチック粒子が水中に放出されることがあります。
2.温度や中身の影響
ペットボトルは高温環境で変形しやすく、プラスチック粒子が溶け出すおそれがあります。また、凍結させると水の膨張によってボトルの構造が壊れ、同様にプラスチック粒子が放出される可能性があります。したがって、極端に暑いまたは寒い環境での使用は避けるべきであり、お茶やコーヒーなど熱い飲み物を入れることも控えましょう。
ティーバッグからもプラスチック粒子が排出
研究によると、ティーバッグはお湯で抽出する際にプラスチック粒子を放出することが確認されています。ナイロン製やプラスチック製のティーバッグはもちろんのこと、多くの紙製ティーバッグにもプラスチック繊維が使われており、同様のリスクがあるとされています。
招氏は、茶葉を直接淹れる方法を推奨するとともに、ティーバッグの使用回数を控え、長時間や複数回の使用を避けるよう勧めています。
もしティーバッグの素材に不安がある場合は、抽出方法として水出しを検討するとよいでしょう。低温で抽出することで、プラスチック粒子の放出リスクが大幅に低減され、より安全にお茶を楽しむことができます。
浄水器の選び方
家庭用の浄水器について、招氏は、活性炭と逆浸透(RO)機能を備えたタイプの使用を推奨しています。活性炭は化学物質や微粒子を吸着する効果があり、逆浸透は細菌や重金属などの有害物質の除去に優れています。
彼は「ろ過した後に煮沸するのが理想的です」と述べており、水質に対してより高い安全性を求める場合には、蒸留水を利用するという選択肢もあるとしています。ただし、過度なろ過により、体に必要なミネラル(ナトリウムやカリウムなど)まで除去される可能性があるため、その点には注意が必要だと補足しています。
体はマイクロプラスチックを排出できますか?
体内に入ったマイクロプラスチックの代謝について、招氏は次のように述べています。プラスチック粒子は体内を通過して、臓器や血管にまで入り込み、徐々に蓄積されていく可能性があります。体の代謝機能によって、少量であれば排出されますが、摂取量が代謝能力を超えると完全な排出は難しくなり、血管の詰まりや心血管疾患のリスクが高まるおそれがあります。
医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』の研究によると、頸動脈のプラークにプラスチック粒子が検出された被験者は、検出されなかった人に比べて、心筋梗塞・脳卒中・死亡のリスクが4.5倍高いという結果が報告されています。
招氏は、「短期間に大量のプラスチック粒子を含む水を飲んだからといって、すぐに病気になるわけではありませんが、長期的に安全な飲料水を意識しないと、体内にプラスチック粒子が徐々に蓄積し、健康リスクが高まります」と警告しています。自分の代謝能力に頼るだけでなく、日常生活の中で意識的に摂取源を減らすことが重要だと呼びかけています。
(翻訳編集 正道 勇)
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