電子レンジは、キッチンでもっとも使用頻度の高い家電のひとつです。加熱、蒸し調理、解凍などさまざまな用途があり、時間・労力・手間を大幅に省いてくれます。しかし、あなたは正しく使えているでしょうか?
イギリスのキッチン家電ブランド「Cookology」によると、電子レンジは非常に便利で、残り物を安全に温め直せるうえ、細菌の繁殖リスクを抑える助けにもなるそうです。ただし、多くの人が誤った使い方をしており、そのせいで料理がうまく仕上がらなかったり、汚れが増えたり、場合によっては電子レンジ自体を傷めてしまうこともあります。
以下は、同社が指摘するよくある間違いです。
● 食品を完全に密閉してしまう
電子レンジで食べ物を加熱する際、食品を覆うこと自体は良い方法です。水分を保ち、調理時間を短くし、飛び散りも防げます。しかし、蓋を強く閉めたり、ラップで完全に密閉してしまうと、蒸気が逃げ場を失ってしまいます。
そうなると容器内部に圧力が溜まり、容器が変形したり、蓋が破裂したり、場合によっては小規模な爆発につながることもあります。電子レンジ対応の容器であっても損傷することがあります。
そのため、食品を覆うときは完全に密閉せず、蒸気が抜ける小さな隙間を残してください。蓋を少しずらして置く、濡らしたキッチンペーパーをかぶせるなどの方法が効果的です。

● 食品をまったく覆わない
完全密閉が良くない一方で、まったく覆わないのも問題です。特に水分や脂肪が多い食品は、加熱中に気泡ができ、温め終わって取り出した瞬間に破裂することがあります。
覆わないと加熱ムラが生じやすく、飛び散りで電子レンジ内が汚れる原因にもなります。
● 食べ物をかき混ぜない
電子レンジは外側から内側へと加熱が進む仕組みのため、どうしても加熱ムラが起きやすくなります。これは味や食感に影響するだけでなく、部分的に十分な温度に達しなければ、衛生面で問題が生じるおそれがあります。
そのため、途中で一度かき混ぜることが重要です。特にソース、ご飯、肉料理などは必ず行いましょう。
● 電子レンジを汚れたままにする
汚れたままの電子レンジは見た目だけでなく、性能にも影響します。飛び散った食品がマイクロ波を吸収し、加熱時間が長くなるだけでなく、ムラがさらに増え、嫌な臭いも残ります。
定期的に内部を中性洗剤と柔らかい布で拭くようにしましょう。頑固な汚れには、水とレモン汁を入れたボウルを数分加熱すると汚れが落ちやすくなります。

● 間違った容器を使う
すべてのプラスチック容器が電子レンジ対応とは限りません。高温で溶けたり変形したり、有害な化学物質が食品に移る可能性があります。
Cookologyは、ガラス製や陶器製、または「電子レンジ対応」と明記されたプラスチック容器の使用を推奨しています。表示がないものは使用を避けてください。金属、アルミホイル、針金入りのビニールタイ(ねじりタイ)、金属の縁がある容器は絶対に電子レンジに入れてはいけません。
● 「放射線」への誤解を信じている
電子レンジについてよくある誤解のひとつに「危険な放射線を出している」というものがあります。しかし、実際に使われているのは Wi-Fi やラジオと同じ種類の「非電離放射線」であり、一般的に安全とされています。
電子レンジのマイクロ波は分子や原子構造を壊す力を持たず、人体の DNA に影響を与えるものではありません。アメリカ食品医薬品局(FDA)も、ドアロックやパッキンが破損していない限り、マイクロ波が漏れ出して人体に害を及ぼすことはないとしています。
(翻訳編集 井田千景)
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