クロス一家のキッチン改装では、電子レンジを置くスペースがなくなり、代わりにパントリー(食品庫)へ移しました。
電子レンジが視界から消えると、意識からも遠のき、残り物の味が以前より良くなったと感じるようになりました。
これは、電子レンジが放射線を発することへの懸念だけでなく、プラスチック包装や容器に入れた食品を電子レンジで加熱すると、何百万個ものマイクロプラスチックが食品中に放出される可能性があるという、新たな研究を心配している人にとって朗報です。
「1940年代に建てられた家に引っ越したとき、電子レンジを再び持ち込まないという考えがとても気に入りました」と、食品ロスの削減と食費の節約を目的としたオンライン事業「ザ・クロス・レガシー」を運営するエイミー・クロスは、エポックタイムズに語っています。
「キッチンカウンターが物でごちゃごちゃするのが好きではありませんし、有害な化学物質が放出される可能性のあるものは、なおさら置きたくありません」
電子レンジを持っていない人や、一般的なこの調理器具を使いたくない人にとっても、残り物を温め直す方法はほかにもたくさんあります。
優れた3つの温め直し技法
研究によると、特定の温め直し方法は、食品の食感や風味をよりよく保ち、場合によっては栄養面の質を高める可能性もあります。
1.蒸し調理
忙しい親向けに食品準備について発信しているブログ「ガーリック・ディライト」を運営するアンナ・ライダーは、特に蒸し調理は風味や香りを引き立てると指摘しています。
「炒め物のように、もともと湯気と一緒に食べることを想定した料理を思い浮かべてみてください。ニンニクやショウガ、場合によってはタマネギなどの香味野菜がたくさん入っていますよね。食べ物から立ち上る蒸気によって、その香りをより強く感じることができます」と、彼女はエポックタイムズに語っています。
学術誌『Foods』に掲載された研究では、蒸し煮にした鶏肉を蒸し直した場合、電子レンジや湯で沸かす方法と比べて、食感や香りがよりよく保たれることが分かりました。蒸した鶏肉は色の変化が最小限に抑えられ、筋繊維へのダメージも最小限でした。
著者らは、蒸し直した鶏肉の風味プロファイルは他の再加熱方法と似ているものの、味の強さはより高かったと記しています。これらの結果は、残り物だけでなく、作り置きした肉類を温め直す際の方法を消費者が判断する助けになります。
2.エアフライ調理
別の『Foods』誌に掲載された研究によると、調理済みのカリッとした鶏肉をエアフライヤーで温め直すと、電子レンジ、オーブン焼き、蒸し調理、湯せんによる再加熱よりも、色合いや弾力がよく保たれました。
なお、湯せんは蒸し調理とは異なり、比較的速く、穏やかさに欠ける方法です。食品を耐熱性の金属製またはガラス製の容器(保存用のガラス瓶など)に入れ、非常に熱いお湯を張った鍋に入れて加熱します。
研究者らは、エアフライ調理では高温の空気が鶏肉内部の水分を保ちつつ、外側にゲル状の網目構造を形成すると指摘しています。冷めるとそのゲルが固まり、カリッとした外殻が生まれるのです。
うま味(アミノ酸などによるコクのある味わい)は、蒸し調理を除くすべての再加熱方法で増加しました。うま味は、肉類をはじめ、チーズや発酵食品によく見られる風味です。
3.直火調理
ガスコンロ、薪、炭など、あらゆる炎を使って行える直火調理は、『International Journal of Gastronomy and Food Science』に掲載された研究で、蒸し煮の牛肉とジャガイモ、スープを電子レンジ、蒸し、煮沸で温め直した場合と比べ、最も良好な結果を示しました。
直火で温め直すと、体内でエネルギーを生み出し、神経伝達物質やホルモン、抗酸化物質の生成を助ける遊離アミノ酸が、牛肉、ジャガイモ、スープのすべてで増加しました。腸や肝臓、免疫系に特有の利点をもつ必須栄養素であるヌクレオチドは、牛肉とジャガイモでは大幅に増加しましたが、スープでは減少しました。
風味と品質も直火での再加熱によって向上しましたが、牛肉の食べやすさと色合いについては、蒸し調理が最も高く評価されました。
自宅にガスコンロがない場合、炎を使った調理にはあまり慣れていないかもしれませんが、停電時には役立ちます。
ライダーは、食品を温め直すための最優先の方法だからではなく、カリフォルニア州で暮らしていた頃に計画停電を経験し、重要な道具だと学んだため、キャンプ用コンロを購入しました。キャンプ用コンロは持ち運びができ、自宅でも旅行先でも残り物の温め直しに便利です。一般的に屋外使用を前提として設計されているため、屋内で使用する場合は緊急時に限り、十分な注意が必要です。
実用的な温め直しのヒント
食品によって、適した方法は異なります。
蒸し調理の場合:しっかり蓋が閉まる寸胴鍋に、底に鍋敷き(トリベット)を置き、水を約2〜3cm入れます。ガラス製の耐熱容器を鍋敷きの上に置き、必要に応じて混ぜながら、約5分間加熱します。
蒸し器用バスケットでも蒸し調理は可能です。鍋に収まり、水の上に食品を置ける金属製ザルを使い、蓋で固定すれば代用できます。
フライパンで温め直す場合:大さじ1〜2杯の油、または水を使います。ライダーによると、これによって二度目には異なる食感が生まれ、例えばピザの耳がよりカリッとしたり、前日のマカロニ・アンド・チーズが香ばしく仕上がったりします。
オーブンで温め直す場合:便利ではありますが、注意を怠ると乾燥したり、焦げたりすることがあります。クロスは、オーブンにピザストーンを入れることで、温め直しの際の熱を安定させるのに役立つと述べています。
コンロで温め直す場合:ソース、スープ、カレーなどは、鍋に入れてコンロで温め直すことができます。
ワッフルメーカーやパニーニプレスは、サンドイッチ、パンケーキ、ブリトーを温めるのにも適しています。ライダーはかつて、電子レンジのないホテルの部屋で、アイロンとクッキングシートを使ってグリルドチーズを作ったことがあります。仕事のために1か月滞在しており、外食に飽きていたからです。
「食べ物の温め直し方に、厳格な決まりはありません」と彼女は言います。「食品に熱を伝えられるものであれば、工夫次第で何とかなります。創造的に、楽しんでやってみてください。常識を使っていれば、食べ物を焦がすことはありません」
ライダーによると、必ずしも熱々、あるいは温かくなくても、おいしく食べられる場合があります。冷蔵庫から出して室温に戻すだけで、味としては十分なこともあるのです。
残り物を無駄にしないために
残り物を保存する前に、後でどのように使うかを考えておくことを、クロスは勧めています。そうすることで、後から温め直しやすい形で保存でき、余った食品を食べきって無駄にしない可能性が高まります。
「1回分の昼食や夕食になる量がある場合は、スナップ式の蓋が付いたガラス容器に入れて冷凍することがよくあります。そうすれば簡単に温め直せます」と彼女は言います。
クロスは、残り物用に設計されたシリコン製トレーを使い、1食分ずつ冷凍しています。凍った後も簡単に取り出せ、どの温め直し方法にも対応できます。
シチューやスープは、口の広いパイントサイズの瓶に保存し、冷凍や解凍で中身が膨張しても割れないよう、上部に2〜3cmほどの空間を残します。ポイントは、冷蔵庫で一晩かけて解凍するか、冷たい水に浸すことです。
クロスによると、祝日の時期は残り物が多くなりがちですが、それは今後数日から数週間、手軽に食事を用意できるチャンスでもあります。
ハムや七面鳥を刻んで1カップ分ずつ冷凍しておけば、卵料理、サラダ、ピザ、チャーハンなどに加えられます。大きな肉の塊も、そのまま食事やサンドイッチに活用できます。
祝日にマッシュポテトを作るときは、成長した子どもたちがキッチンを手伝うことが多いため、冷凍や再加熱に向いていることもあり、いつも多めに作ります。
「使いやすい量に分けて保存すること、そして、すでに用意してある食品を出前に頼む代わりに使う習慣を身につけることがとても大切です」とクロスは語り、冷蔵庫に入れた残り物は忘れられ、最終的に捨てられてしまうことが多いと指摘しています。
(翻訳編集 井田千景)
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