従来のバイタルサイン(体温、脈拍、呼吸、血圧)に加えて、新たな健康指標が注目されるようになっています。たとえば、脚力や握力は、現在では全体的な身体機能の健康状態を示す指標として認識されています。
6万1千件以上のMRI(磁気共鳴画像)スキャンを含む最近の大規模研究により、研究者たちは新たな方法で全体的な健康状態を判断できるようになりました。それは、臀部の形状、より具体的には大殿筋の状態です。
定期的な運動、バランスの取れた食事、そして健康的な日常習慣によって身体を強く整えることは、生活の質の向上につながり、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)、糖尿病、心疾患などのリスクを低減する可能性があります。
それでは、臀部の筋肉を強化し、2型糖尿病の発症および進行を防ぐのに役立つエクササイズを行っていきましょう。
代謝の健康を支える臀部エクササイズ5選
以下の筋力トレーニングおよび有酸素運動は、ほぼどこでも行うことができ、習得も簡単で、継続して行うことで臀部の筋肉を強化し、全身の持久力向上に役立ちます。
多くの患者さんがこれらの運動を問題なく行えていますが、ご自身に適しているかどうかを確認するため、事前にかかりつけ医や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。
1. 傾斜ウォーキング
ウォーキングは臀部の筋肉を強化しますが、特に坂道や傾斜を歩くことで筋肉の活動がより高まります。また、傾斜ウォーキングは血糖コントロールの改善にも役立ちます。
実践のポイント: 自然の中の坂道や傾斜、あるいは傾斜機能付きのトレッドミル(ランニングマシン)が必要です。
やり方
- 通常のペースで5分間歩き、身体をウォームアップします。
- フォームを保ちながら歩ける範囲で最大の速度までペースを上げます。このペースで5分間歩いた後、再び通常の速度に戻します。このサイクルを繰り返しますが、1つ例外があります。坂道では速いペースに上げ、下り坂では通常のペースに戻します。
- この運動を30分行い、最後に5分間ゆっくり歩いてクールダウンします。
うまくできない場合は: 屋外に坂道がない場合は、傾斜をつけたトレッドミルで速歩とゆっくり歩きを30分行ってください。可能な範囲で傾斜をつけるとよいでしょう。最初は大変ですが、徐々に強くなっていきます。
おすすめの理由: 歩行は呼吸と同じくらい自然な動作で、多くの人にとって取り組みやすい運動です。また、傾斜を利用することで臀部への負荷を最大化できます。
2. ゴブレットスクワット
ゴブレットスクワットは大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)と臀部に効果的です。小殿筋、中殿筋、大殿筋すべてにバランスよく働きかけるため、臀部全体を鍛えるのに適しています。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
やり方
- 足を腰幅程度に開いて立ち、重り(ダンベルなど)を両手であごの下あたりに持ち、手のひらを向かい合わせます。
- ゆっくりとしゃがみ、腰をできるだけ後ろに引きながら、股関節と膝が約90度になるまで下げます。呼吸を止めないように注意してください。
- 下げてから立ち上がるまでで1回と数えます。12回×3セットを目安に行い、必要に応じて調整してください。
うまくできない場合は: 深くしゃがめない場合は、できる範囲まで行ってから戻りましょう。繰り返すことで徐々に強くなります。
おすすめの理由: 正しく行えば、負荷が自然と臀部に集中します。また、動作のコントロールがしやすい点も魅力です。
3. ケトルベルスイング
ケトルベルスイングは、有酸素運動としての効果に加え、背中、臀部(特に大殿筋)、ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)をしっかり強化できる優れた運動です。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
やり方
- 背筋を伸ばして立ち、足を腰幅に開き、膝を軽く曲げた状態で両手にケトルベルを持ちます。
- 腕を伸ばしたまま、ケトルベルを前方へ勢いよく持ち上げます。背中はまっすぐ保ち、股関節から動くようにします。スイング時には腰を前に押し出し、動作の頂点で臀部を強く締めてパワーを生み出します。
- ケトルベルを脚の間に戻し、腕と背中をまっすぐに保ちながら、膝の曲げを維持します。そのまま流れるように再び前方へ振り上げます。
- 前に振り上げて戻すまでで1回と数えます。15回×3セットを目標にしましょう。
うまくできない場合は: より大きくスイングできるよう、重量を軽くすることができます。それでも難しい場合は、できる範囲で振り上げましょう。
おすすめの理由: 非常に効率の良い運動で、臀部だけでなく多くの筋肉を同時に使う全身運動です。
4. ラテラルバンドウォーク(横方向バンド歩行)
ラテラルバンドウォークは、臀部の3つの筋肉すべてに働きかけ、特に股関節外転筋(脚を外側に開く筋肉)を強化します。臀部全体を鍛える優れた運動です。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
やり方
- 約90cmのエクササイズバンドを用意し、輪になるように結びます。足首に装着したとき、足が腰幅程度に開くようにします。
- 右足を約60cm右に踏み出し、その後左足も同じ方向に動かします。
- 片足ずつ横に動く一連の動作で1回と数えます。左右それぞれ20回×3セットを目指しましょう。
うまくできない場合は: 大きく踏み出せない場合は、可能な範囲で行い、常にバンドに張力(引っ張り)を保つようにしてください。
おすすめの理由: バンドを使うことで常に筋肉に負荷がかかり、動きの質が向上し、筋肉にしっかりと刺激を与えることができます。
5. ウェイト付きヒップスラスト
ヒップスラストは、それだけでも優れた運動で、臀部、ハムストリングス、大腿四頭筋を強く働かせます。さらに重りを加えることで、強度と効果が高まります。
(Ceridwen Hunter/The Epoch Times)
やり方
- ソファや椅子の前に座り、上背部と肩をその上に乗せます。足は腰幅に開いて床につけます。重りを膝の上に置きます。最初は約2.3kgから始めるのがおすすめですが、必要に応じて調整してください。
- 足で床を押し、膝から肩までが一直線になるまで腰を持ち上げます。肩は座面に乗せたまま、腰は空中に浮いた状態になります。重りはしっかり支えてください。
- 頂点に達したら、ゆっくりと元の位置に戻します。上げて下げるまでで1回と数えます。12回×3セットを目指しましょう。必要に応じて調整してください。
うまくできない場合は: 重りが難しい場合は、まずは自重で行いましょう。徐々に強くなります。負荷を上げたい場合は重量を増やしてください。
おすすめの理由: 複数の筋肉を同時に効果的に鍛えることができ、特に臀部に強く働きかけながら、ハムストリングス、大腿四頭筋、体幹(コア)も鍛えられます。
これらの運動を組み合わせて行うことで、臀部の筋肉を強化し、2型糖尿病の発症および進行に対抗する助けになります。週に少なくとも3回、理想的には5回の実施をおすすめします。ぜひ役立ててください。
フィットネスモデルについて
モデルを務めるエアロウェン・ハンター氏は、The Epoch Times紙の健康担当編集者でありフィットネスモデルでもあります。60代とは思えないほど活力にあふれ、30年以上にわたりヨガ指導に情熱を注いできた認定ヨガセラピストです。
本記事はThe Epoch Times掲載の記事を、許可を得て転載したものです。記事内の見解は著者個人のものであり、編集部の立場を代表するものではありません。
(翻訳編集 井田千景)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。