【大紀元日本12月10日】中国で再びメラミン事件が明るみに出た。仏が中国から輸入した大豆粉から基準値の50倍のメラミンが検出され、EUは中国からの大豆を原料とする幼児食品の輸入全面禁止を宣言した。この他、香港でも中国から輸入した鶏卵から基準値を超えるメラミンが再び検出されている。
三鹿有毒粉ミルク事件は、中国の乳製品製造業に普遍的に存在するたんぱく質と偽りメラミンを使用している黒幕を暴き出した。早期に専門家は、たんぱく質含有量を検査対象としている中国豆類製品に同様の問題が存在する可能性を指摘していた。
メラミン醜聞は中国の乳製品業界に深刻な打撃を与えた。政府のデータによると今年10月の中国乳製品輸出量は昨年同時期に比べ92%も減少しほぼ中断状態だという。今回の有毒豆粉輸出問題は、中国豆製品の排斥という別の問題を引き起こす可能性がある。
*メラミン含有量、大豆粉は基準値の50倍、鶏卵は1・8倍
先ごろ、仏の企業が中国から輸入した300トン近い大豆粉から116mg/kgという基準値の50倍のメラミンが検出されたことを発表したとAPFが伝えている。この大豆粉を原料に使用した飼料はすでに市場からは下りているという。
この他、12月始めに香港でも中国から輸入した鶏卵から基準値を超えるメラミンが再び検出されている。香港食物安全センター公布の検査結果によると、吉林省德惠市から輸入した鶏卵中に4・7%のメラミンが含まれており、これは基準値の1・8倍だったという。
*EU、大豆を原料とした幼児食品の輸入を禁止
問題発生後、EU執行委員会は12月3日に大豆を原料とした幼児食品の輸入を禁止することを宣言した。仏政府は中国乳製品を含む食品の全面禁止を伝え、この措置はすべての中国からの乳類成分を含む食品を対象としている。イタリアでも同じような措置が取られている。
EU委員会の声明の中で、「EUは中国からの大豆と大豆製品を含むすべての飼料と食品に対し検査を行わざるを得ず、検査後に流通させる」と伝えている。彼らの飼料や食品は基準値である2・5mg/kgよりも含有量が低くなければ欧州市場に入ることは出来ない。中国産の発酵粉もEUに入る前にすべて検査を受けている。昨年EUは中国からおよそ6万8千トンの各種豆類製品を輸入している。
ロシアは最近、中国食品中のメラミンを検出するための新しい機器を輸入。キルギス政府は11月27日にすべての乳製品と鶏卵を中国から輸入することを禁止したと宣言した。
*中国乳製品輸出は92%ダウン
現在、米国、ロシアを含む数十か国が中国で生産された乳製品の輸入を禁止しており、中国の乳製品輸出はほぼ中断状態にある。政府新聞「中国日報」2日の中国税関本署のデータによると10月の中国乳製品輸出量は1036トン。昨年と比べ92%ダウンしている。今年1月から9月、すなわちメラミン醜聞が取沙汰される前の月平均輸出量は1万2千トンであった。
中国食品中からメラミンが検出されたことにより、米国食品薬物管理局(FDA)は今年11月中旬に全米範囲内の、中国から輸入した牛乳製品、乳品原料及び乳品を含む食品は差し止められ、中国のメーカーがこれらの製品を米国に輸出することをさらに困難になることを示した。
またBBCによると、中国の関連企業は12月4日に行われた第5回中米経済戦略対話において米国側の輸入規制緩和を促したという。
*専門家は肉類・水産物の汚染を懸念
しかしながら米国のある有名食品会社の品質コントロールに従事しているロウ博士は、中国製食品のメラミン問題は解決には程遠く、最近もまた中国が輸出した大豆粉から基準値を50倍も超えるメラミンが検出され、香港が中国大陸から輸入した鶏卵からも基準値を超えるメラミンが検出されたことをあげ、FDAが下した禁止令は必要なものと述べている。
今年10月、香港で初めて大陸産の鶏卵からメラミンが検出され、この結果この有毒化学物質が人類の食物連鎖に入り込んでいる事が明らかになり中国及び国際社会の広い範囲から注目を受けた。
ロウ博士は、人がメラミンを含む粉ミルクを摂取すると結石ができ、米国の数千匹の猫、犬がペットフードにメラミンが含まれていたために中毒死した事を取り上げ、では豚、牛、鶏、魚などが有毒資料を食べた後、これらの動物、家禽及び水産物の肉類や内臓は汚染を受けていないのか、と話した。博士は、水産物は汚染されている可能性が高く、FDAはこの方面において追及すべきと考えているそうだ。
また博士は多くのパン、菓子、麺類にはよく鶏卵や卵白が使用されていることを指摘し、現在すでに鶏卵に問題があることが発見されていることから、これらの食品も汚染されている可能性がある。人々の安全のため、FDAは中国からの卵が入った食品の輸入を禁止するべきと話している。
*中国共産党、結石患者が30万人近いことを発表
中国大陸では中国共産党衛生部が12月1日に、11月27日8時までの三鹿ブランドの粉ミルクとそのほかの有毒粉ミルクを摂取したため泌尿系統に異常が現れた患者が29・4万人にまで増加した事を伝えた。この数字は当国がもともと発表していた数字の5倍以上である。知らせでは、各地の衛生部門が伝えた死亡例の中で調査したうち6例は有毒粉ミルクとの関連を取り除くことはできないと伝えている。
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