9月15日の東京公演を皮切りに、初のアジアツアー展開中の神韻交響楽団は、その芸術性の高さに賞賛が相次いでいる。台湾各地の多くの公演では満席となり、東京公演ではアンコール2回の喝采を受けて、成功を収めた。神韻の人気は高まる一方で、中国共産党による在日中国大使館を通じた妨害活動も確認されている。この要因について、主催団体理事は、神韻のモットーである中国伝統の復興は「共産党の最も恐れていることだから」と説明する。
台湾、神韻ブランドが確かなものに
今回、神韻交響楽団は 9月17日から10月13日まで台湾の12の都市で16回公演を行う。これまでの北米ツアーの枠から抜けて、台湾で初めて公演だ。台湾では、神韻芸術団は最も数多く公演を行った芸術団として知られている。毎年の公演は7万人から10万人を動員する。
台東市の9月27日の公演チケットは9月初めにすでに売り切れ。この人気ぶりに、地元のテレビ局も神韻交響楽団について放送した。奥深い中国文化を伝えるため、台湾の神韻後援団体は公演前に古典音楽などについて伝える講義を開くと、こちらにも多くの人が足を運んだ。
残念ながら、台東での公演は26日、台風の影響で中止が発表されたものの、台東の政治要人は、相次いで神韻交響楽団の台湾初公演に対する期待と祝福を表明した。
台東県長・黄健庭氏は、「神韻交響楽団は台湾各地の音楽愛好者に格別の饗宴となります。神韻交響楽団は一流の演奏技術と深い文化的な要素を兼ね備えている。台東県における公演はきっと市民に神韻の音楽家と歌手の魅力を伝えられるでしょう」と話した。
台東市長・張国洲氏は神韻交響楽団の音楽を高く評価し、「神韻は中国五千年の歴史から啓発を得た音楽を東西の演奏技法を使って表現し、忙しい現代人のために内心の平静と休息する機会を与えている」と述べた。
世界的に有名ホールで公演果たし、芸術や音楽専門家から称賛
神韻交響楽団は2012年から、世界的に著名な芸術劇場であるニューヨークのカーネギーホールで初公演を満席にして以降、毎年北米の主要都市の著名なホールで公演を行ってきた。ワシントンD.C.のジョン・F・ケネディ・センター、ボストンシンフォニーホール、カナダの大都市トロントのロイ・トムソン・ホールなど。そして、日本では最高峰の芸術劇場・東京オペラシティでの公演を実現させた。
これらの有名なホールで公演する芸術団体は、世界的に高い文化・芸術的価値があると認められていなければならないはずだ。実際、神韻音楽は、芸術関係者からの高い評価を受けてきた。
トニー賞を6回受賞したプロデューサーであり、ブロードウェイのPalace Theaterの所有者の一人でもあるスチュワート・レーン(Stewart Lane)氏は、神韻交響楽団の公演の感想を述べた。「抑えがたい感動に浸りました。美しい音色で、才能に恵まれたオーケストラ。そして歌手の歌唱力も一流で、とても美しいメロディーだった」。
日本の著名な作曲家でありチェロ奏者でもある平井丈一郎氏は神韻を高く評価している。「神韻の純粋な音楽は、人の心を浄化する作用がある。古風で伝統を重んじる神韻の音楽は好感を抱かせる」「現代の音楽には正統とは言えない奇怪なものもあるが、心の平静を保つためには、神韻のような音楽を聞かなければならないだろう」。
他にも、ヨーロッパや北米を中心に、多くの音楽・芸術関係者から高い評価を得ている。
神韻ムーブメント 好ましく思わない中国大使館
台湾をはじめ、北米でも多くの音楽専門家から高い評価を得ている神韻音楽。いっぽうで、このムーブメントの広がりを好ましく思わない中国共産党からの妨害活動も、確認されている。東京公演の会場では、中国大使館が指示したとみられるグループが騒動を起こした。
15日、東京オペラシティでの公演前に、会場敷地内に黒い服を着た中国人の男女5、6人が集合して、公演中止を求めて「出ていけ」などの大声をあげた。一団に、大紀元記者が活動の目的と問うと、一人が「(中国)大使館からの指示で来た」と答えた。オペラシティ側は、敷地内の活動は許可されていないと立ち去るよう求めたが、一行は動こうとせず、膠着状態が続いた。のちに駆けつけた警察官に退去させられた。
2014年の神韻芸術団の東京にも妨害があった。産経新聞によると同年11月、公演会場の東京文化会館に、中国大使館から、電話や外交員の直接訪問などの形で、神韻芸術団の公演中止の要求があったという。
韓国や香港では、公演会場からの突然の貸し出し禁止や、神韻芸術団関係者の入国ビザ発行拒否などで、公演キャンセルが余儀なくされた事例がある。
なぜ神韻を妨害するのか 主催理事「伝統の理念と反する」
中国共産党は、なぜ神韻芸術団の世界的な広がりを阻止しようとするのか。これについて、神韻芸術団の日本公演主催団体、古典芸術振興会・高橋理事は、中国共産党が、神韻のモットーとする中国伝統文化の復興と相反する、文化の破壊的革命を推進してきたことにあるという。
「神韻が伝えようとする中国伝統文化の精神的内包は、すでに120カ国の公演と成功で、各国に受け入れられてきたことが証明されています。しかし、中国共産党は漢字を簡略化し、歴史的な遺跡や書物などを破壊するなどして、中国伝統文化を認識する方法を失わせました。現代中国の道徳水準の退廃した原因でもあります。伝統文化の復興を掲げる神韻の広がりを恐れ、そして公演に対して海外公館(大使館や領事館)を通じて、あらゆる方法で妨害しています」。
ジャーナリストの櫻井よしこさんは大紀元の取材に答え、表現の自由が保護されている日本での中国共産党による妨害行為は「日本の社会の価値観に合っていないということ」と指摘。「中国国内では、表現や言論の自由が弾圧され、共産党に不都合な人々や団体が迫害されている『力治国家』だということは、すでに世界中のメディアに報道されています。中国共産党自身が、21世紀の価値観に合わないということを示しています」と述べた。
(翻訳編集、文亮・佐渡 道世)
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