以前、アメリカの男性向け雑誌が、一杯で2010キロカロリーに達するミルクシェイクを紹介したことがある。多くの人が、ミルクシェイクは高カロリーな飲み物だと思っている。
しかし、アメリカ臨床栄養学雑誌「American Journal of Clinical Nutrition」の研究結果によると、ミルクシェイクのような濃厚な飲料は、人に満腹感を与え、食べ過ぎを抑え、ダイエット効果につながるという。
オランダのヴァーヘニンゲン大学の研究チームは、15人の被験者に100〜500キロカロリーの、濃さが異なる4種類の乳飲料を1種類ずつ飲ませた。飲み終わった後、チームは1時間半にわたり、核磁気共鳴スキャナーを用いて被験者の胃の中を調べ、10分おきに満腹感を調査した。
すると、繊維質を加えられた100キロカロリーの乳飲料は、繊維質を含まない500キロカロリーの乳飲料に比べて、胃の中に長時間とどまらず、消化が最も早いことが分かった。また、被験者が満腹感を感じる要因は、カロリーの多少ではなく、飲料の濃さによるということも発見した。高濃度の100キロカロリーの飲料を飲んだ人は、低濃度の500キロカロリーの飲料を飲んだ人に比べて、さらに満腹感を感じたという。
研究チームは、人が満腹感を得るのはカロリーではなく、濃度である現象を「満腹の幻覚」(Phantom fullness)と名付けた。人は、満腹感を得たら、それ以上食べられなくなり、自然とカロリー摂取が抑えられると指摘した。
(翻訳編集・淳萌)
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