明智光秀が主君である織田信長に反旗を翻すにあたり、自軍の諸将の前でこう叫ぶ。「敵は本能寺にあり!」。
▼映画やテレビドラマでは定番のセリフであるが、もちろん史実ではないだろう。実際に1万数千の大軍を丹波から京都に移動させ、本能寺を厳重に包囲するまでは、敵方に察知されないよう秘密裡に進めたはずだ。信長は、知れば一人さっさと逃げるだろうから。
▼申したいのはそのことではない。テレビ各局の情報番組を見ると、日本各地で、ご苦労が絶えないことがよく分かる。何十年も地域に愛されてきた洋食店や天ぷら屋さんが「心ならずも廃業を決めました」などというニュースを聞くにつけ、小欄の筆者も胸が痛むばかりだ。
▼ただ、そうした情報番組の内容で、あまりの無知に憤慨するのは、例えば、ウイルスの最初の発生源について中国政府とトランプ大統領との応酬を取り上げた後、ゲストコメンテーターの誰かが「ケンカしている場合じゃない。新型コロナウイルスという人類共通の敵に対して、アメリカも中国も一つになって、協力して闘うべきだ」を言うことだ。
▼これは禁物。相手が中国共産党の場合、「仲良くしましょう」は真逆の論理となる。ここは中国の政権政党である中国共産党の政治責任を、絶対に逃がさず、ごまかさせず、相手が逆ギレしようが、がんがん責め立てなければならない。だから「中共ウイルス」なのだ。
▼賠償金を払うはずもないが、世界各地で訴訟を起こしてよいのである。とにかく、中共を逃がしてはならない。「敵は中南海にあり!」。日本政府も覚悟を決めるべし。
【紀元曙光】2020年5月9日
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