わぎもこが汗にそぼつる寝より髪夏の昼間はうとしやと思ふ(曾丹集)
歌意「夏の暑い日。昼寝をする私の隣で、同じく横になっているのは我が妻である。その汗に濡れた、ねじれ髪を、うとましく思うものであろうか。いや、これがなかなか、いとおしい女房だよ」。
曾根好忠(そねのよしただ)の作。平安中期の歌人で、身分は高くなく、家柄もひくい下級貴族でした。ただ『小倉百人一首』にある「由良の門を渡る舟人梶を絶えゆくえも知らぬ恋の道かな」の和歌で知られています。
曾根好忠は、その偏狭な性格からか、周囲から嫌われるタイプだったようです。ただ、冒頭の歌に見られるような、傍らに寝ている妻へ注がれる温かい眼差しは、どうでしょう。
実に優しい夫の愛情が、感じられませんか?
(聡)
(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。