1904年生まれで、生前は米国の最高齢者であったレッシー・ブラウン(Lessie Brown)さんが2019年1月8日に亡くなりました。114歳でした。
彼女の家族によると、ブラウンさんが長生きした理由の一つは「よくサツマイモを食べていたことだ」と言います。
サツマイモは「長寿の食べ物」
111歳まで、彼女はほとんど毎日1個のサツマイモを食べていたそうです。
明代の医学者である李時珍は、その著書『本草綱目』の中で、「海で生きる漁民には長寿の人が多い。それは、五穀を食べないかわりに、サツマイモを食べているからだ」と述べています。
蒸しても焼いてもおいしいサツマイモは、皮が紫色で、身は脂のように白く、中国の南方ではこれを主食の一つとして食べています。
漢方医学では、サツマイモは脾臓と腎臓の経絡に帰結します。
漢方でいうサツマイモの効能は「補中和血、益気生津、寛胃腸、通便秘」。つまり「体内の血液の流れを順調にし、気(エネルギー)を盛んにするとともに、唾液を分泌して喉を潤し、胃腸を広くゆるやかにして、便秘を通じる」ということです。
そのため、体が重く、だるさを感じている人は、サツマイモを食べると改善効果があります。
世界の長寿者の住まいを訪ね、その生き方をまとめた一書『The Blue Zones Solution』 の著者であるダン・ビュイトナー氏も、「サツマイモは、一部の地域の長寿者の食卓に欠かせない健康的な食物だ」と述べています。
栄養豊富で「満腹感が持続」
サツマイモに含まれる炭水化物は、主に複合式の炭水化物であり、体内に入った後の消化速度が遅いため、満腹感が持続します。これは、血糖値を比較的安定した状態に保てることを意味します。
サツマイモに含まれる食物繊維の中で、非水溶性繊維は70%以上を占めています。非水溶性繊維は腸の蠕動を促進するとともに、血糖の上昇を抑制するため、糖尿病リスクを下げることができるのです。
そのためアメリカ糖尿病協会は、サツマイモを糖尿病治療の推奨食品の一つとしています。
サツマイモは栄養が豊富で、ビタミンA含有量が高い食物です。サツマイモのビタミンAは、視力の維持や骨の発達、免疫機能の向上に役立ちます。
そのほか、サツマイモにはビタミンC、カルシウム、リン、マグネシウム、カリウムなども含まれています。カリウムは神経と筋肉の正常な働きを維持し、血管を拡張させ、血圧を下げる作用があり、また体内の余分な塩分の排出を助けます。
「朝に、皮付きのまま食べましょう」
漢方医師の林貴氏によると、サツマイモを食べる最適な時間は「午前7時から9時まで」だそうです。
その理由は、「この時間帯は、胃腸が栄養を吸収するゴールデン・タイムであり、午後は新陳代謝が低下し、サツマイモの糖分が体内にたまりやすいから」と言います。
サツマイモは皮ごと食べたほうが、より完全な栄養を吸収できます。
サツマイモの皮は多糖類物質を豊富に含み、血液中のコレステロールレベルを低下させます。さらに血管の弾性を保持することで、血管の硬化と高血圧による心血管疾病を予防することができるのです。
お店で質の良いサツマイモを購入したら、洗って汚れを落とし、蒸したり、焼いたりして皮ごと食べてください。
まだまだ寒いこの季節。ほかほかのサツマイモで温まりましょう!
(文・林秀璟/翻訳編集・鳥飼聡)
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