科学専門誌『Nature Communications』に掲載された新しい論文によると、「ヨーグルトを食べることで、2型糖尿病の発症を抑えられる可能性がある」と言います。
肥満に関連する2型糖尿病のマウスモデルを研究した結果、通常の餌のほかに、多量のヨーグルトを摂取したマウスのほうが、インスリン感受性が高く、ブドウ糖のバランスが保たれていることが分かりました。
一方、同様の餌を与えられているものの、ヨーグルトが不足しているマウスには、こうした特徴は見られませんでした。
研究者は、ヨーグルトを摂取したマウスは他のマウスよりも肝臓が健康であることも確認しています。特に、こちらのマウスの肝臓は、 人間の2型糖尿病患者に多い脂肪蓄積や脂肪変性が少ないことが分かっています。
内分泌学者のエレナ・バレンゴッツ博士は、「肥満と糖尿病に関する新しい治療法にこれらの新しいデータを加えるなら、更なる検証が必要です。しかし、ヨーグルトやケフィアのような発酵乳は、肥満や2型糖尿病の予防および治療のために推奨できるかもしれません」と、その可能性を示唆しています。
ただしバレンゴッツ博士は、マウスでの研究結果を、どのようにしてヒトに応用できるかはまだ分かっていないとした上で、次のように付け加えました。
「通常のヨーグルト摂取を推奨するのは安全だと考えています。ただし、積極的に薦めるには、より多くのエビデンスが必要です。まだこの判断には、慎重であったほうがいいでしょう」
世界保健機関(WHO)のデータによると、1980年に全世界で1億800万人が糖尿病にかかっていましたが、2014年までにこの数字は4倍近く増え、4億2200万人に達しています。
(翻訳編集・鳥飼聡)
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