「添加糖をできるだけ避ける」というタイトル通りの内容が、私(Gabe Mirkin、スポーツ医学専門の医師)の結論です。
私たちの周囲には、製造過程で加えられた糖分、つまり「添加糖」を大量に含む食品があふれています。
添加糖とは、食品を作る途中で加えられる加工糖(白糖、グラニュー糖)および天然の甘み(ハチミツ、果汁)などを総称する概念です。
いずれも「甘くする」という目的のために添加されるものです。
それは、商品の売り上げには大いに貢献するものの、体に有用な栄養素としてはあまり意味をなさないか、ときには有害な作用もはたらく物質です。
米国を例にすると、1960年代以降、食品業界は様々な食品や飲料に、高濃度のフルクトース(果糖)を含むコーンシロップやその他の添加糖を大量に加えて「味を良く」しています。
おいしくなった、というのは近視眼的な一面に過ぎません。これは非常に厄介なことです。この間に、大腸炎やクローン病などの、炎症性腸疾患の発生率が明らかに増加しているからです。
他の複数の研究も併せると、同時期に一般化した高「糖質」食も、心臓病や特定のがんリスクを高めています。さらには、クローン病や潰瘍性大腸炎などの慢性腸炎が、糖尿病リスクの上昇に関与していると研究で示されています。
砂糖は、どのように腸を傷つけるのでしょうか。
大腸には100兆以上の細菌が生息しています。これらの細菌のうち、健康に有益な細菌は腸内の食物を喜んで食べます。
ところが、なかには「有害な細菌」もいます。これらは、あなたが食べた食物に満足せず、腸壁の細胞に侵入して、ずたずたに傷つけるような悪さをするのです。
そのとき、あなたの免疫系は白血球や化学物質を大量に作り出すことで、「有害な細菌」の侵入に対抗しようとします。これらの白血球や化学物質は、侵入した細菌の外膜に穴を開け、これを殺して食べようとするのです。
盲腸の次の部位から直腸に至るまでの、大腸の主要部分を結腸と呼びます。
結腸に侵入した細菌によるダメージが、体の免疫系を活性化させることにより、その部位に炎症を引き起こします。そのほか、善玉菌と悪玉菌が競合して、結腸のなかのスペースを奪い合う現象もみられます。
食物および飲料中の糖は本来、腸管の上部である小腸で吸収されるべきものですが、大量の糖を摂取すると、一部の糖は吸収しきれずに小腸を通過します。
この糖分が結腸に届くと、健康に有益な細菌が結腸で増殖することが阻害されます。その結果、「有害な細菌」が過剰に増殖し、あなたの腸壁がひどく傷つけられてしまうのです。
最後に再び、私から皆さんへ申し上げます。
私は「食物に添加された全ての砂糖を制限すること」を提案します。
特に避けるべきは、全ての砂糖を含む飲み物です。
(翻訳編集・鳥飼聡)
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