アボカドは、鰐梨(ワニナシ)とも呼ばれ、柔らかい食感と栄養価の高さで、グルメな人たちからも高い評価を得ている果物です。その鮮度をいかに保つかは、当然ながら多くの人が気にしている問題です。
そこで「民間療法」として開発されたのが、アボカドを水に浸しておく方法で、そうするとアボカドが熟成され、また鮮度も保たれるようです。しかし、米国食品医薬品局(FDA)は、これに対して忠告しています。
この方法はネット上で広く共有され、FacebookやTikTokなどのソーシャルメディア上では高く評価され、話題となっています。
この方法について、水に浸す前後で比較し、噂を検証した動画もあがっています。その動画では、アボカドを水に浸して数日から数週間おくと、中は緑黄色の外観を保っており、サラダのトッピングにしたり、皮をむいてカットして醤油につけて食べたり、牛乳を加えてアボカドミルクにしても、本来のおいしさが保たれていることがわかります。
この方法は何百万件ものアクセスを獲得しました。
これに対してFDAの広報担当者は米FOXニュースに
「FDAはこの行為を推奨しない」
「主な懸念は、リステリア、サルモネラなどのヒト病原体の残留やアボカドの表面に残った病原体が水に浸かった保存中に増殖する可能性だ」
と述べています。
FDAは、2022年2月に再公表した「Microbiological Surveillance Sampling for Whole Fresh Avocados」(生鮮アボカドの微生物サーベイランスサンプリング)と題する2016年の研究結果を引用しています。FDAは、危険な細菌がアボカドの皮に蓄積され、容易に二次汚染を引き起こす可能性があることを発見しました。
FDAはFOXニュースに以下のように述べています。
「FDAの科学者が行った研究によると、リステリア菌は冷蔵保管の15日以内で、アボカドの果肉に浸透して充満する可能性がある」
「この場合、カットする前にアボカド皮の表面を消毒しても、汚染を除去することはできない」
米国保健社会福祉省(HHS)が所有するfoodsafety.govによると、リステリア菌とサルモネラ菌は、米国で食中毒などの食品由来疾患、入院、死亡の原因として最もよく知られている細菌の2種類です。
リステリア菌やサルモネラ菌に感染すると、発熱、頭痛、筋肉痛、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が出ます。
それでは、一体アボカドはどのように保存したら良いのでしょうか?
FDAは、アボカドを長時間水に浸けず、乾燥した環境で保存することを推奨しています。
FDAは、他の農産物と同様でグリーンフルーツを食べる前は流水でよく洗うべきだが、洗剤は使わないでほしいと述べています。またアボカドは外皮が硬いので、清潔なブラシを使ってしっかりと洗ってもよいでしょう。
皮は食べないにしても、必ず洗う必要があります。FDAはこうすることで汚れや細菌を取り除き、二次汚染を最小限に抑えることができると主張しています。
アボカドは洗った後に乾燥させます。
FDAは「傷や崩れた部分は切り落としても良し」としていますが、目に見える腐敗がある場合は捨てるべきだとしています。
もしアボカドの保存が必要な場合は、米農業部のFoodKeeperアプリによると、熟するまでは室内で保存し、熟したアボカドは冷凍せず、冷蔵庫で3~4日保存できるそうです。
(翻訳・春野瑠璃)
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