雲南省は中国の南西部にあります。面積39.4万平方キロメートル、最高峰のカロボと最も低い場所の標高差は6740メートルあります。滇東部地方は雲貴高原の一部であり、典型的なカルスト地形で、南部には多くの盆地と湖があります。滇西部地方は横断山脈の南部にあたり、高山と深い谷が交互に並んでいます。
雲南省の東部がかつて滇国の領土だったので、省の略称が滇となりました。首府は昆明です。春秋時代は楚の開滇、漢の時代には益州に属していました。三国時代には蜀に属し、唐の時代には剣南道、五代、宋の時代には大理国になりました。元の時代には雲嶺の南という意味から名づけられた雲南行中書省となり、明の時代には雲南布政使司が置かれ、清代になって雲南省となりました。
雲南は多民族の省です。漢族、イ族、ペー族、ハニ族、チワン族、タイ族、ミャオ族、回族、ラフ族、ワ族、ナシ族、ヤオ族、チベット族、ジンポー族、プーラン族、プミ族、ヌー族、アチャン族、デアン族、モンゴル族、トーロン族、ジーヌオ族などの民族が住んでいます。ワ族、ナシ族、ラフ族、ハニ族は雲南省にのみ住んでおり、また、イ族、ペー族、タイ族、ジンポー族が最も多い省です。
たくさんの民族ときらびやかで美しい民族の風情が雲南省の特色となっています。麗江地区の瀘沽湖(ルグフ湖)のモソ族は今もなお、母系社会の特徴を強く残しており、各民族の服装、建築、歌曲や舞踊も多種多様です。自然の観光資源としては、たおやかな滇池(てんち)、蒼山、七色に輝く元陽の棚田、石や土石が樹木のように聳え立つ石林、タイ族自治州であるシーサンパンナの熱帯の光景などがあります。
雲南省の伝統劇である滇劇は200年の歴史があります。剛と柔の絶妙なバランスで表現力が豊かであり、内容も地元の特色と生活の息吹が感じられます。花灯劇は花灯の踊りに端を発した、雲南の各民族の曲調を幅広く盛り込んだもので、歌も踊りも現実生活にさらに近いものとなっています。
ペー族、チワン族、イ族、タイ族にもそれぞれの民族の演劇があります。
雲南の各民族にはそれぞれ独自の音楽や舞踊があり、各民族の代表的なものは以下の通りです。
●タイ族の孔雀舞や象脚鼓舞 ●ジンポー族の「木脳総戈」
●ハニ族の扇子舞、鼓舞 ●ペー族の覇王鞭
●ラフ族の芦笙舞 ●ナシ族の「オルル」、東巴舞
●ヤオ族の銅鈴舞 ●ヌー族の生産舞
●リス族の琵琶舞 ●ジーヌオ族の竹筒舞
●プーラン族の太鼓舞 ●アチャン族の「登娥羅」
●ワ族の銅鑼舞
雲南独特の味覚としては、「過橋米線」、「汽鍋鶏」、「大理沙鍋魚」、「蒙自もち」、「通海豆末糖」などがあります。
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