「シルクロード」の再開
モンゴル軍の西征に伴い、文化、宗教、技術、貿易などが国境を越えて流通し始めました。また、モンゴル文化も中原、インド、アラビア、ギリシャ・ローマ文化圏へと入り込み、東洋と西洋の文化交流を促進するとともに、中原の農業とモンゴル文化を各地へ伝播していったのです。
これにより、長年中断されていた「シルクロード」が再開され、世界初の国家間の交通・通信システムが整備されました。モンゴル帝国が設立した駅伝制は、首都カラコルムを中心に、40kmごとに駅が置かれ、宿や食糧はもちろん、移動手段の馬や馬車、必需品なども常時用意され、さらに軍が駐屯しているため、身の危険もありませんでした。
方位磁石も西欧諸国に伝わり、後の大航海時代に大活躍しました。また、長年孤立していた小国も国家間の交流が盛んになるにつれて、それぞれ発展・繁栄していったのです。
中国古来の抑商政策や、宋と金の南北対峙はモンゴル帝国によって打ち破られ、中原は世界的市場となりました。そして、元王朝の頃、中国の瓷器(磁器)や絹織物は各国の人気商品となり、ヨーロッパにまで売りさばかれたのです。
(完)
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