(つづき)
その2:物事に柔軟に対応する
私は、自分の力を「気」に例えて、大地に根付くことを述べました。また、それを妨害する力を「風」に例えました。
優しくて真面目な、好ましい人格を持っている人の多くは、土台が不安定であるためによく動揺します。外の声や、他人の意見に彼は影響されやすいのですね。私たちがしっかりした自分を持たずに、本当の自分を感じる方法を知らないとき、「風」は私たちを傷つける外的要因の例えなのです。
もっと、自分を柔軟にしてみましょう! 外の声を聞いた後は、必ず自分の心を見つめて、
「私には、何か、考えがあるのか? 私は彼らが言っているような顔をしているのか?」
と、自分に問いかけてみるのです。
あなたはあなた自身であるしかなく、他人から見た親、パートナー、子供ではないのです。虚構に気づき、虚構を捨てるという独自の判断が必要なのですね。他人の評価に衝撃を受けたとしても、ちょうど風に吹かれたような、枝や葉がわずかに動くだけで、幹が傷つけられることは決してないのです。
固まってガチガチになってしまうことは、逆にあなたを傷つけるのです。硬直とは柔軟性がないことであり、何事も受け流すのではなく、なんでも直接受け止めてしまいます。事件が動くたびにますます、その都度、固まってしまうのですね。
例えば、自分のパートナーがいつも悪いと不平をまき散らす友人を例に取りましょう。彼は、話し合いなど無駄だから離婚すると宣言します。しかし、少し考えた後、彼は考えを変え、妻と話し合いを継続して、協力を続けたいと言ったとしましょう。
あなたはこのことに対する彼の最初の言葉に引っかかって、そのために彼を非難するかも知れません:
「あなたはどうして変わったのですか? あなたはあの人と別れると言ったではありませんか? これからどうやって、彼女と協力を続けるのですか? 私は、今後どのようにあなたを信用したらいいのですか?」
これが硬直した状態です。
この時、私たちは、自分たちがこのような対応、つまり硬直している事実を、客観視する必要があります。同時に、この苦境を、変えてみる必要もありますね。
私たちが理解しなければならないのは、風が吹いてくる力に、さらに抑制と抵抗の力が加わり、私たちに二重の圧力を与えて、固まっているあなたはとても人を傷つけやすくなっているのです。柔軟な次元で考えれば、私たちは外の誰かのために変わるのではなく、自分の空間を広げるために、自分が変わるのです。
この例では、友人には彼女の考え、彼女の決定があり、それは彼女の人間としての自由と権利です。あなたもあなたの考えを持つことができて、あなたの考えも尊重に値する自由な意志なのです。
あなたは他の人をどう思っていますか? 他人が自分の意見に賛成していると思いますか? それとも、反して、あなたを圧迫していると思いますか? 敵意を感じると、防御をすることになりますが、反対に、安全を感じると、柔らかくなります。私たちが敵意を感じたら、
「彼は本当に私を傷つけるのか?」
と自分に問いかけてみましょう。
他の人が他の人になることを許すなら、あなたもあなた自身になることができます。
内外にある多くの障壁や国境を越えて友人を作り、新しいことを試してみるのは素晴らしいですね。これはあなたの視野を広げ、他人を理解し、生命を理解するのに役立つことでしょう。
その3:自分を強くする
不安定な心は変わりやすいのです。心の動き、天の計らい、神の想いに気づいたとき、自分の静かな呼吸を通じて自分を見ると、今の今この時に連れ戻してくれます。混乱を感じたときは注意力を現実に引き戻して、この場所のすべてが、あなたが作り出した虚構とあなたに寄り添う現実を区別するのに役立つのです。
「私はどこにいますか? 何色が見えますか? どんな音が聞こえますか? どんな匂いがしますか?」これらは、あなたの五感に働きかけて、現実の認識を通して、あなたを落ち着かせるのに役立つのです。あなたに寄り添う現実は、生命の再認識とも言えるかも知れません。
このように感性を磨くと、あなたは心から生命に対する敬虔さを呼び起こすことができるのです。自分が今、経験していることは、自分が経験を通して感じなければいけないことだと、知ることなのです。ここに、あなたを見る目、自分を客観視できる能力が育ちます。
この方法で他人の評価を気にすることを減らすことができ、自分の妄想や現実を蝕む虚構も減らすことができるのです。過去はもうあなたにどんな影響も与えず、未来に思い描く虚構も存在できなくなりますね。今、この瞬間だけが、すべての瞬間に存在するようになるとすれば、あなたはそれを楽しんで経験できるようになるのです。
この場合、時間を待つこともできるし、迎えにゆくこともできるようになります。時間に対するあなたの従属性も消えて行くでしょう。
それは、あなたがあなた自身に対する信頼を取り戻したからですね。その状態こそ、生命そのものに対する信仰であり、天が与える未来への希望なのです。そのゆるぎない心こそ、人の心をさらに強く明るくし、これからやってくるいかなる人生に対しても、落ち着きと余裕をもたらすものなのです。
確固とすることによって、あなたはあなたの生命が唯一無二であることを信じることができるようになるのです。あなたが人生のこの経験に値することを信じて、夜が終わったら、必ず夜明けの光明が見えてくることを信じられるのです。あなたの善良さ、あなたの真実に対する情熱、あなたの自由に対する努力と忍耐に対して、天があなたを必ず守護するのです。
あなたは、あなた自身の燈明を持って、あなたの世界に対する見方と理解を成熟させてください。何か不合理あるいは不都合なことをしているのを見ると、私たちの内面が それをすべきではないと、必ず教えてくれます。これが内面のともし火で、あなたの本当の心を向かうところに導いてくれます。
外在的なすべては、私たちの資源であり、私たちはその中から自分に最適なものを探して、しっかりとそれらの根を大地に下ろさせて、土に深く入り込ませることができるのです。
(つづく)
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