あらゆる遺伝子治療製品にシェディングのリスクあり=FDA

コロナワクチンのシェディングは実在する 米規制当局とファイザーの文書が証拠=臨床医(上)

これまで、ワクチン接種者からの「シェディング」と呼ばれる現象は、ファクトチェッカーらから否定されてきた。

彼らは一般的に、米国疾病予防管理センター(CDC)のウェブサイト上の定義を論拠として引用してきた。そこでは、シェディングは生ワクチンからのウイルス、細菌及びその成分の放出と定義されている。

mRNAワクチンやアデノウイルスワクチンは生ワクチンではなく、遺伝子治療製品と同様の機能を持つ。米国食品医薬品局(FDA)によると、あらゆる遺伝子治療製品にシェディングのリスクがあるという。

FDAの文書

FDAが2015年に発表した文書「ウイルスや細菌をベースとした遺伝子治療および癌治療製品のためのシェディング研究の設計と解析」の中で、シェディングは「排泄物(糞便)、分泌物(尿、唾液、鼻咽頭液など)、または皮膚(膿疱、ただれ、創傷)を介して、患者から(ウイルスまたは細菌の遺伝子治療製品が)排出されること」と定義されている。

新型コロナワクチンのシェディングについては長らく議論されてきたが、複数の医師によれば、当局でさえその存在を認識しているという。

2月初旬にアリゾナ州フェニックスで開催されたFLCCC会議で、ピエール・コリー博士は「残念ながらシェディングは実在する。FDAはそれを知っている」と述べた。

コリー博士は、新型コロナウイルス感染症およびコロナ後遺症、ワクチン接種後症候群の治療を目的とした非営利支援団体「Front Line COVID-19 Critical Care Alliance(FLCCC)」の共同創設者であり、リーディングエッジクリニックの共同創設者でもある。1千人以上のコロナ後遺症およびワクチン後遺症の患者を治療してきた。

文書の中でFDAは、遺伝子治療製品を「送達された遺伝物質の転写・翻訳によって効果をもたらすあらゆる製品」と説明した。

新型コロナのmRNAワクチンとアデノウイルスワクチンがこの分類に当てはまることは、昨年6月に発表された査読済み論文で確認できる。これらのワクチンは、mRNAの遺伝情報をスパイクタンパク質に変換させることで効果を発揮する。

シェディングが確認されている遺伝子治療製品としては、ルクスターナという眼の治療薬が挙げられる。ルクスターナはアデノウイルスを運搬体として患者の網膜細胞に眼のタンパク質のDNAを運ぶ。

同製品の添付文書には、患者の涙からルクスターナ・アデノウイルスとそのDNAが検出されたと記載されている。

コリー博士によると、新型コロナのmRNAワクチンとアデノウイルスワクチンでも同様に、接種者にスパイクタンパク質やその他のワクチン成分を放出させる可能性があるという。

例えば、ワクチン接種を受けた母親の母乳から新型コロナウイルスのmRNAが検出されたことは、乳児へのワクチン曝露の可能性を示している。別の研究では、新型コロナワクチン接種によって産生されたスパイクタンパク質が、接種者の血液中で少なくとも半年は持続することが判明した。

しかし、FDAは2015年の文書の内容を新型コロナのmRNAワクチンに適用しなかった。

FDAの広報担当者はエポックタイムズに対し、「新型コロナワクチンは遺伝子治療製品として規制されていないため、引用されたガイダンス文書は新型コロナワクチンには適用されない」と語った。

ワクチンの環境曝露についてファイザーの調査員らが言及

コリー博士は、ファイザーの文書に別の証拠が存在すると付け加えた。

ファイザーの新型コロナmRNAワクチンプロトコルでは、吸入や皮膚接触を通じて試験参加者から周囲の人々へのワクチン曝露があった場合、「環境曝露」を報告するよう研究者に指示している。

環境曝露の例は次のとおり。

・ワクチンの投与を受けていた、あるいは投与を中断した男性参加者から、妊娠前後の時期に女性パートナーへの曝露があった。

・女性の家族や医療従事者が女性の妊娠を報告したのは、吸入や皮膚接触によるワクチン曝露があった後だった。

このプロトコルでは、コリー博士と彼のクリニックの共同創設者スコット・マーズランド氏が「2次シェディング」と呼ぶ現象について説明している。これは、ワクチンの環境曝露を受けた人によって、別の人が曝露を受けるという現象だ。

同文書には「授乳中の環境曝露の例としては、家庭の女性メンバーが吸入や皮膚接触によって試験介入(ワクチン)の暴露を受けた後に授乳を行っていることを、彼女や医療従事者が報告した場合だ」とある。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。主に新型コロナウイルス感染症や医療・健康に関する記事を担当している。メルボルン大学で生物医学の学士号を取得。