アメリカ人の6割は新型コロナワクチン「接種したくない」 調査結果

2025/11/21 更新: 2025/11/21

アメリカの世論・社会調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が行った調査では、成人の59%が「更新版ワクチンは接種したくない」と回答した。一方、「接種したい」と答えた人は26%で、すでに接種済みという人は13%だった。

新型コロナワクチンはパンデミック初期には広く接種されたが、その後は接種率が大きく低下している。連邦政府のデータでは、2024年後半から2025年初頭にかけて接種を受けた成人はわずか23%にとどまる。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は以前、乳幼児を除くほぼ全員にワクチン接種を推奨していたが、最近2回にわたって推奨を大幅に縮小した。最新の10月の改訂では、広く一律に推奨する方針を撤回し、個人が医療従事者と相談した上で、肥満などの基礎疾患の有無や重症化リスクなどを考慮して判断するよう求めている。

この調査では、年齢別に見ると高齢者ほど接種意欲が高いことが明らかになった。65歳以上の人の51%が「すでに接種した」または「接種するつもり」と答えている。

一方、政治的立場による差は非常に大きく出ている。

民主党支持者の64%は「すでに接種した」または「接種する予定」と答えたのに対し、共和党支持者に限ると83%が「接種したくない」と答えた。

なお、回答者の44%は「CDCがワクチン推奨を変更したことを知らなかった」と答え、変更を知っていた人のうち53%は「その変更は自分の判断に全く影響しなかった」と回答している。影響があったと答えた人は少数で、「少し影響した」が24%、「大きく影響した」が12%だった。

この調査は10月20日から26日にかけて、オンラインと電話で5111人の成人を対象に実施され、誤差範囲は±1.7%である。

ちなみに2024年の同センターの前回調査では、成人の60%が更新版ワクチンを「おそらく接種しない」と答えていた(共和党支持者81%、民主党支持者37%)。

2021年夏には、民主党・共和党の双方で大多数が「すでにワクチンを接種した」と答えていたが、その後のワクチンの有効性の低下や、心筋炎などの副反応に関する情報が広く知られるようになったことも背景にあると考えられる。

2025年に医療政策の研究・調査・情報提供を専門とするシンクタンク医療「KFF(Kaiser Family Foundation:カイザー・ファミリー財団)が発表した調査でも、成人の約6割が更新版ワクチンを「接種しない」または「たぶん接種しない」と回答しており、今回の結果とほぼ一致している。

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。