関節炎と関節痛を改善するのに役立つ4種類の食品(1)

食べ物を適切に使えば薬にもなると言われています。つまり、健康は食事によって左右されます。人体が最適に機能するためには栄養が必要であり、これらの栄養は摂取する食べ物から得られます。日々の小さな選択、例えば昼食のおやつにドーナツを食べることや、夕食後に毎晩アイスクリームを食べることが、体にダメージを与えることになります。食べ物がもたらす強力な影響のひとつは、関節炎の痛みを抑えることです。

食べ物が痛みのレベルに影響する方法はいくつかあり、病気の進行にも影響を及ぼすことがあります。しかし、食品メーカーは、カロリーはカロリーであり、カロリーは身体が生きていくために必要なすべてであると人々に信じさせたがります。だが過去数年間で、私たちはようやく食べ物が健康に大きな影響を与えることに気づくようになりました。

痛みを和らげる食べ物について説明する前に、「関節炎」という言葉について少し話をしましょう。

4種類の一般的な関節炎

関節炎に関するいくつかの事実を 知っておくことは極めて重要です。例えば、関節炎という言葉は、100種類以上の異なるタイプの関節炎や関連疾患を指す総称です。関節炎は関節に永続的な損傷を与え、一般的な症状には関節の痛み、こわばり、腫れがあります。

人々は軽度から重度の関節炎に罹ることがあり、症状は時に現れたり消えたりします。何年経っても症状が変わらない人もいれば、時間の経過とともに病状が進行し、さらに悪化する人もいます。一般的な関節炎には4つの主な種類があります。

1.変形性関節症

これは最も一般的なタイプで、体のほとんどの関節に見られます。より一般的には、膝、股関節、脊椎、手に見られます。かつてはすり減る病気として知られていましたが、現在のエビデンスでは、軟骨だけでなく関節全体に影響を及ぼし、骨を弱め、結合組織を劣化させることが示唆されています。

2.自己免疫性炎症性関節炎

これは関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、軸性脊椎関節炎を含む総称です。正確な原因はまだ特定されていませんが、腸内細菌叢が重要な役割を果たしていることがわかっています。

3.感染性関節炎 

この症状は感染によって引き起こされ、感染は通常体の他の部位から始まり、関節に広がります。症状は突然現れ、重度の腫れ、痛み、発熱を引き起こすことがあります。通常、治療によって症状は治まります。

4.痛風(代謝性関節炎)

 これは尿酸結晶が関節内に蓄積した結果で、外反母趾に多く見られます。尿酸結晶は内臓、赤身肉、特定の魚介類、アルコールに含まれるプリン体の分解による副産物です。変形性関節症や腸内細菌叢の不均衡も痛風につながるという証拠もあります。

関節炎と関節の痛みを和らげる方法

1.スルフォラファンの摂取

スルフォラファンには治療効果があります。ブロッコリー、ケール、カリフラワー、キャベツなどのアブラナ科の野菜には、スルフォラファンと呼ばれる化合物が含まれています。これは有機硫黄の一種で、細胞の機能と分裂をサポートし、一部の癌ではアポトーシス(プログラムされた細胞死)を引き起こします。

マウスとヒトの細胞培養で試験したところ、スルフォラファンは乳癌幹細胞を狙って死滅させ、腫瘍の形成と拡散を防ぐことが示されています。しかし、スルフォラファンの利点はそれだけではありません。最大73%の活性酸素を減少させることにより、炎症を減少させることが証明されています。これにより、細胞の損傷が減少します。

スルフォラファンは、関節破壊に関連する酵素をブロックすることにより、変形性関節症のリスクを低減するのにも役立ちます。イースト・アングリア大学の研究者が『関節炎とリウマチ』誌(Arthritis and Rheumatism)に発表した研究[9]では、アブラナ科の野菜に含まれる物質が変形性関節症の進行を遅らせ、または予防する可能性があるといいます。

スルフォラファンは、変形性関節症の発症と進行に関与しているメタロプロテアーゼを抑制することで、これを実現します。研究者らは、スルフォラファンが炎症を抑制し、実験室と動物モデルの両方で軟骨破壊を防ぐことも発見しました。

アブラナ科の野菜には、スルフォラファンと呼ばれる化合物が含まれています(Chamille White / PIXTA)

 
(つづく)

オステオパシー医師兼作家。「Mercola.com」を創設。自然健康の分野で複数の賞を受賞。主なビジョンは、人々が健康を管理できるよう支援する貴重なリソースを提供することで、現代の健康パラダイムを変えること。