無意識に疲れる? エネルギーを奪う9つの日常行動

人々が無意識のうちに身に着けた習慣は、気付かないうちにその人のエネルギーを消耗し、疲労こんぱいさせることがあります。

『ハフィントン・ポスト』は、人の体を容器に、エネルギーを容器に入った水に例えました。水の量を保つために、水を補充するか、容器を補強し、水が漏れないようにする必要があるといいます。

つまり、エネルギーを保つために、健康な食事、運動や十分な睡眠でエネルギーを補充し、悪い生活習慣をやめ、健康な体作りでエネルギーの消耗を避けることが大事だといいます。次に専門家がエネルギーを消耗する9つの習慣とその改善法を紹介しました。
 

食事の間隔が長すぎる

アメリカの栄養士キャロライン・レイシー(Caroline Lacey)さんは、人はタンパク質、炭水化物、脂肪などの栄養素からエネルギーを獲得し、その中の炭水化物がメインエネルギー源として、体で働いていると紹介しました。

脳のような一部の器官の働きを維持するエネルギー源は炭水化物(グルコースとして)のみとなります。肝臓は倉庫として炭水化物のエネルギーを保管し、必要な時に提供します。しかし肝臓に保管できる量は限られています。

保管されたエネルギーは約3~6時間しか持たないため、食事と食事の時間を空けすぎると、体は生理的及び心理的なメガニズムを働かせ、食欲を促し、人は炭水化物を食べたくなります。

栄養心理学者のウマ・ナイドゥ(Uma Naidoo)さんは、人々が炭水化物、特に単純な炭水化物を摂取する時、インスリンのレベルが上昇すると説明しました。インスリンのレベルが一定の数値に上がった途端、血糖値が下がり、疲労を感じるようになります。

<改善策>

レイシーさんは、起きている間は、食事と食事の間隔は5時間を超えないようにとアドバイスしました。しかし、食事の時間は習慣や仕事環境など多くの要因に左右されるので、食事時間が遅れる場合に、いつでもエネルギーを補給できるようにスナック菓子を持ち歩くことを勧めています。

吃太快会增加糖尿病、心脏病风险,还可能带来跟饮食习惯看似无关的症状。(Shutterstock)
男性がご飯を食べている(Shutterstock)

 

姿勢が悪い

アメリカ疾病予防会社EHE Healthの医学主任ナウィーン・サフダー(Naueen Safdar)さんは、「猫背など不良な姿勢は体の筋肉、関節、靭帯に多くの負担をかけ、エネルギーを無駄に多く消耗させ、疲労を引き起こしやすい」と紹介しました。

<改善策>

姿勢の維持が苦手な場合は、矯正製品を使うか、運動時に意識して姿勢の矯正をするようお勧めします。
 

散らかった机で仕事をする

散らかった環境で仕事をすると気が散りやすく、集中できないため、より多くの時間と労力を消費します。  

<改善策>

仕事場の整理整頓を心掛け、物を決まった場所に置くことで、エネルギーの消耗を減らせます。カリフォルニアの精神科医リーラ・R・マガヴィ(Leela R. Magavi)さんは、「毎日10~15分かけて仕事場を片付けながらリラックスできる音楽を聴くと良いでしょう」とアドバイスしています。
 

 パソコンのブラウザ画面にページを開けすぎる

一度多くのページを開くことで、電気を消耗するだけでなく、脳にも負担をかけてしまいます。

シカゴの神経科医ラナ・マフィー(Rana Mafee)さんは、「頻繫に異なるページを行ったり来たりすると、有効的に情報収集できない」と述べています。

<改善策>

マフィーさんは、「手元の作業に関係ないページをブックマークかお気に入りに追加して閉じ、必要に応じて再度開くようにすればよく、作業の効率化が見込め、脳の負担も軽減できるでしょう」とアドバイスしました。
 

電話が鳴るとすぐに出る

マフィーさんは、電話が鳴るとすぐに出ることが非常に疲れをもたらすと指摘しました。なぜなら、電話に出ると、今やっている仕事をすぐに切り替えなければならないためです。相手の表情や身振りが分からない状況で、会話だけを頼りに、内容を処理しなければならないことが、脳に大きな負担をかけます。

<改善策>

マフィーさんは、「家族や同僚にメッセージで忙しいかどうか、電話出られるかどうかを確認してもらってから電話をかけるよう頼むと良いでしょう」とアドバイスしました。

電話が鳴るとすぐに出ることが非常に疲れをもたらしやすい(Shutterstock)

 

呼吸が浅い

心理学者のナイドゥさんは「呼吸が浅いと、血液が保持できる酸素量が減り、器官や細胞が正常な働きを保つための酸素を運べなくなり、疲労の原因になる」と説明しました。

<改善策>

呼吸は無意識に行われていますが、浅い呼吸をしがちな緊張やストレスを感じたときは、意識して深呼吸しましょう。
 

仕事をやり掛けたまま離れる

仕事の最中、別件で手元の仕事を一旦離れなければいけない時に「注意残余 (attention residue)」という状態になりがちです。つまり、脳の注意力の一部はさっきまでやっていた仕事に残っているといいます。

マフィーさんは「集中できないと、脳に負担をかけてしまいます。現在対応している仕事を考えなければいけないし、一旦置いておく前の仕事も考えています」と述べました。

このような状況が頻繁に起こると、集中力を維持するために脳がより多くの働きをしなければなりません。そのため、大量のエネルギーを消費してしまいます。

<改善策>

仕事を開始する前に、中断しても期限通り完成できる充分な時間を確保しましょう。
 

細かなことの積み重ね

友人への返信、電球交換、ペットの診察予約などすぐにできそうだがまだやってない細かいことが積み重なると、集中できなくなり、エネルギーを消耗します。

テキサス州で精神科医として活動するリッペ(Tyson Lippe)さんは、「ささいなことを未完成のまま溜めておくと、人は不安や焦りを感じます」と説明しました。

<改善策>

可能であれば、5分以内で済むことならその場で終わらせましょう。今すぐに処理できないことは、記憶だけに頼らず、未完成リストを作成し、手が空いたら対応しましょう。
 

夜間でも照明が明るい

リッペさんは「夜間に明るい照明を使うと、脳はまだ昼間だと認識してしまうため、催眠作用のあるメラトニンホルモンの分泌を阻止します」と説明しています。「よって、体内時計を乱し、睡眠の質を低下させ、不眠症と疲労を引き起こします」

<改善策>

夜間は照明を暗くし、寒色の光ではなく暖色の光を使いましょう。

陳俊村