性別適合手術後に自殺未遂率が倍増: 研究

トランスジェンダーであると自認する人々の自殺未遂率が、膣形成術を受けた後に2倍以上に増加していたことが、学術誌The Journal of Urologyに掲載された査読付き研究で明らかになりました。

研究では、2012年から2018年にかけて、カリフォルニア州で膣形成術を受けた男性869人と、陰茎形成術を受けた女性357人を対象に、性別変更手術前後の精神科救急の出動率を分析しました。

研究者らは、精神科救急の出動率は性転換手術の前後ともに高く、両グループの全体的な出動率は同程度であることを発見しました。しかし、膣形成術を受けた人の自殺未遂率の高さは顕著でした。

「実際、我々が観察した膣形成術群の自殺未遂率は一般集団の2倍以上であったのに対して、陰茎形成術群の自殺未遂率は一般集団と同程度でした」と著者らは書いてます。

膣形成術を受けた869人の患者のうち、38人が自殺を図り、その内訳は術前が9人、術後が25人、術前後が4人でした。膣形成術前の自殺リスクは全体で1.5%、術後の自殺リスクは3.3%でした。膣形成術を受けた後に自殺を試みた人のほぼ3%は、手術前には自殺の危険性はありませんでした。

陰茎形成術を受けた357人の生物学的女性患者のうち、自殺未遂は6人で、手術前後の自殺リスクは0.8%でした。

全体として、自殺未遂以外で緊急治療室および精神科入院を経験した人の割合は、膣形成術群と陰茎形成術群で同程度でした。それぞれ約22.2%と20.7%の患者が少なくとも1回の精神科受診を経験していました。

研究では、膣形成術を受けた生物学的男性が術後に精神科を受診する確率は33.9%であったのに対し、陰茎形成術を受けた生物学的女性が術前に精神科を受診する確率は26.5%でした。著者らは、女性化移行を受ける生物学的男性で、精神科救急の既往のある人へのカウンセリングの重要性を強調しました。

自殺率は19倍に

整形外科専門医のアルフォンソ・オリビア氏は、エポックタイムズとのインタビューで、性転換手術を受けた人の精神医学的転帰と長期追跡調査に関する研究が不足しているとした上で、ある重要な論文に言及しています。PLOS ONE誌に掲載された2011年の論文で、性別適合手術を受けた人々は、一般集団と比較して、総死亡率、自殺行動、精神疾患の罹患率が大幅に高いことが明らかになりました。

「この論文は縦断研究なので反論は難しい。スウェーデンでは、すべての人がデータベースに登録されており、診断コードを通して、すべての国民の病歴を追跡することができる。手術後10年以上待ったところ、自殺による死亡の調整ハザード比は19.1であった」とオリビア氏は語りました。

救急外来受診について「屁理屈をこねる」ことは可能だが、この研究はトランスジェンダー手術を受けた患者の10年後の自殺率が一般集団の19倍であったことを示している、とオリビア氏は言いました。この研究では精神疾患のある人は除外されたため、性別違和のほかに精神疾患はなかったと考えられます。

手術手順

陰茎形成術は、男性への移行を希望する生物学的女性が行う多段階のプロセスであり、生殖器と前腕または大腿部の組織を用いて陰茎を作ります。陰唇や外陰唇などの外性器は陰嚢を作るために使用され、数ヵ月後に勃起を引き起こすインプラントとともに精巣インプラントが挿入されます。

膣形成術は、性別違和のある人に対する性別適合手術の中で最も一般的であり、年間3,000件以上の手術が行われています。米国トップクラスの医療機関であるジョンズ・ホプキンス・メディスンによると、膣形成術は、陰茎、睾丸、陰嚢を取り除き、外陰部と機能的な膣を形成する外科手術です。外科医は通常、既存の陰茎と陰嚢の周囲の皮膚を使用するか、腹部や大腿部から皮膚を移植して膣管を作ります。

陰茎反転術は、陰茎から皮膚を切除し、尿道と直腸の間にできた膣腔に挿入する袋を形成するために反転させる、最も一般的に行われている手術です。その後、尿道を部分的に切除、短縮、再配置し、大陰唇、小陰唇、クリトリスを形成します。

もう一つの手術法は、外科医がおへその小さな切り口から体内に到達し、膣管を形成することができるロボットシステムを使用することです。膣形成術の種類は患者によって異なります。例えば、思春期を経験したことのない若い患者は、標準的な陰茎反転術を行うには陰茎の皮膚が不十分かもしれません。

「思春期を迎えようとしている子供に、10歳から11歳半で思春期を止めるために思春期ブロッカー(ホルモン抑制剤)を投与することを勧めますが、小さな男の子にそれを行う場合、陰茎と陰嚢から組織を得ることができないので、膣を作ることは非常に難しい」とオリビア氏はエポックタイムズに語りました。「腹膜や結腸など、体の他の部位から組織を採取しなければならない。ブラジルの研究者の中には、実際にティラピア(いずみ鯛)を使うことを検討している人もいる」と付け加えました。

膣形成術が行われた後の回復プロセスは大掛かりで、患者は生涯を通じて様々な間隔で膣拡張術を受けなければなりません。

膣形成術には深刻なリスクが伴う

膣形成術は、自殺のリスクの増加に加えて、創部離開、膣狭窄、血腫、直腸膣瘻、肉芽組織、出血、感染、皮膚またはクリトリスの壊死、縫合線離開(手術切開部が開くこと)、尿閉または膣脱を含む多くの身体的合併症と関連しています。

International Brazilian Journal of Urology誌に掲載された2021年の論文によると、直腸膣瘻は膣形成術の「最も破壊的な合併症」であり、「念入りに施術したとしても」、そして、直腸に明らかな傷がなくても起こりえます。

直腸膣瘻は、直腸と膣がつながった異常な状態であり、便失禁、衛生上の問題、膣や肛門の炎症、生命を脅かす可能性のある膿瘍や瘻孔の再発を引き起こす可能性があります。

Andrology誌の2021年のレビューによると、陰茎反転膣形成術後の合併症の発生率は20〜70%であり、合併症のほとんどは術後4ヶ月の間に発生しています。

2018年のClinical Anatomy誌のレビューとメタアナリシスでは、研究者らは手術後の新生膣合併症を評価するために125の論文をレビューしました。1,684人の患者を対象とする13の研究を選択した後、彼らは32%の合併症率、22%の非審美的理由による再手術率を発見しました。

「美容外科手術の場合、合併症の発生率が2〜3%以上であれば誰も手術を受けないだろう」「これらの合併症の割合は非常に高く、私たちはただ受け入れるだけだ」とオリビア氏はエポックタイムズに語りました。

「これらの外科手術の合併症は非常に高く、それが高い自殺率の理由だと思う。手術で問題が解決すると考えるのは間違っている」

2018年6月、Journal of the American Society of Plastic Surgeons誌に掲載された膣形成術を受けた117人の患者の術後転帰に関する論文によると、患者の26%が肉芽組織を経験し、20%が膣内瘢痕を残し、20%が長引く痛みを経験したといいます。

The Journal of Urologyに掲載された2017年の論文では、研究者らは陰茎反転膣形成術を受けた患者を追跡調査しました。330人の患者のうち95人(29%)が術後合併症を呈しました。そのうち3例が直腸膣瘻を発症し、30例が再手術を要しました。

Urology誌に掲載された2016年の研究では、研究者らは2005年1月から2015年1月までに膣形成術を受けた69人の患者の臨床記録をさかのぼって再調査しました。手術中の合併症は報告されませんでしたが、患者の22%が術後に大きな合併症を経験していました。

「米国では2007年から成人の(性別)移行を行っているが、ジェンダークリニックのデータはどこにあるのか? なぜ米国では長期的な作用について何も発表されていないのか?性機能に関して何も発表されていないのはなぜか?私たちはそれを追跡調査し、研究すべきなのに、そうしていない」とオリビア氏はエポックタイムズに語りました。
 

政治学の背景を持つ弁護士兼調査ジャーナリスト。栄養学と運動科学の追加認定を取得した伝統的な自然療法医でもある。