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ツボ押し・運動・食事で目を養う:中医学に学ぶセルフケア術

健康な目のためには、良好な血流が不可欠です。そのためには、体の中心的な役割を果たす肝臓、腎臓、心臓の健康が大切です。中医学では、ツボ押しマッサージ(指圧)に、バランスのとれた食事と定期的な運動を組み合わせることで、視力のケアを推奨しています。

台湾・永昌中医診所の院長である鄭秋霞(てい・しゅうか)医師は、新唐人テレビの番組「The Health」に出演し、ツボ押しで視力を守る方法、自宅でできる運動と食事が臓器の健康と目の健康にどう役立つかについて語りました。

目は、最も多くの血液を必要とする器官のひとつです。網膜や視神経は代謝や神経信号を脳に伝えるために大量の酸素と栄養を必要とします。

糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性、視神経萎縮といった一般的な視力障害は、いずれも酸素供給不足や栄養不足に関連しています。

中医学の観点から、鄭医師は、肝臓を養うことが静脈の循環を支え、腎臓を養うことが水代謝と細胞の活力を高め、心臓を強くすることで動脈系を強化して血流を改善できると言います。しっかりとした血流は目の周囲の組織に十分な血液を供給し、視界をはっきりさせ、目を明るく活力に満ちたものにします。
 

目を守るツボ押しマッサージ

鄭医師は、目の周りにある7つのツボをマッサージして血行、特に動脈の流れを促進し、目の健康を強化することを勧めています。

睛明(せいめい):目頭(目の内側の角)にあります

攅竹(さんちく):眉毛の内側の付け根にあります

魚腰(ぎょよう):眉毛の中央にあります

糸竹空(しちくくう):眉毛の外端のくぼみにあります

太陽(たいよう):目尻と眉の外端の間のくぼみにあります

承泣(しょうきゅう):目の真下、下まぶたの中央にあります

四白(しはく):目の下のくぼみで、黒目の真下にあります

(大紀元)

中医学では、経絡(けいらく)は体内のエネルギーが流れる通路であり、「気」や血液といった生命を維持する基本物質を運ぶ役割を果たしています。内臓と体の各部位は経絡によってつながっており、その経絡上の特定のポイントが「ツボ」です。

これらのツボを鍼(はり)やお灸、マッサージで刺激することで、対応する部位の不調を改善します。
 

目のツボ押しマッサージのやり方

血行を促し、目の健康を支えるために、次の簡単な手順で行ってください。

ステップ1:手をよく洗い、1分ほどこすり合わせて温めます。

ステップ2:指を使い、上記の目の周りのツボをそれぞれ優しく押し、約5秒ずつキープします。

ステップ3:1回につき10分間、1日1回行うか、数回に分けて行ってください。
 

血行を促進する2つの自宅エクササイズ

定期的な運動は心臓を強化し、血流を改善し、目に十分な血液や栄養の供給をスムーズにします。

鄭医師は、現代人は運動の重要性を理解しているものの、その強度や時間が不足しがちだと指摘します。水泳やフィットネストレーニングといった強度の高い持久力運動が望ましいそうです。

家でできる運動として、次の2つを勧めています。

1. 膝抱え運動

ステップ1:仰向けになり、両膝を立て、足裏を床につけます。

ステップ2:片脚を持ち上げ、両手で太ももを抱えます。そのまま膝から下の部分をまっすぐに伸ばしたり曲げたりする動きを100回行います。反対の脚も同様に行います。

この運動は一度に行っても、1日のうちに分けて行っても構いません。毎日続けることで心臓を強化し、膝も丈夫になります。
 

2. 脚上げ運動

ステップ1:仰向けになり、片脚を曲げて足裏を床につけ、もう一方の脚はまっすぐ伸ばします。

ステップ2:伸ばした脚をできるだけ高く上げ、下ろす動作を100回繰り返します。反対の脚も同様に行います。

ステップ3:脚を90度まで上げられなくても、45度でも構いません。膝をまっすぐに保ち、柔軟性に応じて調整してください。

鄭医師は「完璧にやる必要はなく、できる範囲で続けることが大切です」と強調します。

この運動も一度に行っても、1日のうちに分けて行ってもよく、血行促進と股関節の強化に役立ちます。

また、定期的な運動と質の良い睡眠は、心臓だけでなく、肝臓や腎臓といった目の健康と関わりの深い臓器にも良い影響を与えるといいます。

 

血行と目の健康のための食事

バランスのとれた食事も血流を支えるために重要です。鄭医師は、鉄分が豊富な食品を取り入れ、油・砂糖・塩分の多い食事を避けることを勧めています。これは血流をスムーズにし、臓器に負担をかけさせない為です。

1. 血を養う食品を食べる

牛肉や豚肉などの赤身肉は、たんぱく質の供給源であるだけでなく、鉄分も豊富です。鉄はヘモグロビンの生成を助け、酸素の運搬を促し、心臓を含む健康な血行を促進します。

白身肉もたんぱく質は豊富ですが、鉄分は少なめです。食事量が限られている場合、鉄分補給には赤身肉のほうが効率的です。

「赤身肉は健康に悪い」と心配する人もいますが、鄭医師はそれが誤解であると指摘します。

「赤身肉が有害ということはありません。今日は白身肉、明日は赤身肉といったように、栄養バランスをとるのが最良の方法です」と話します。

また、レンコン、ごぼう、ヒユ(赤い葉の野菜)、ビーツなどの野菜も鉄分が豊富で、血を養うのに役立ちます。

ただし、植物性の鉄は吸収されにくく、運動不足だとさらに利用効率が下がります。菜食主義の人は、適度な運動を増やして吸収を高めることをお勧めします。

さらに、りんご、ぶどう、さくらんぼといったビタミンCが豊富な果物は、鉄の吸収を高める助けになります。
 

2. 高脂肪・高糖質・高塩分の食事を避ける

脂肪や糖、塩分の多い食品は、循環系に負担をかけ、目の健康に悪影響を与えます。

糖分の過剰摂取は血糖や脂質を増加させ、血流を悪化させ、脳卒中のリスクを高めます。糖尿病は毛細血管を傷つけ、酸素供給を低下させます。

高脂肪食は動脈硬化を引き起こし、心臓からの血流を妨げ、酸素供給に支障をきたします。

塩分の取りすぎは血管の弾力性を損ない、血圧を上げ、腎臓に負担をかけることで、血流を不安定にします。

そのため鄭医師は、軽くバランスの良い食事を心がけることで、健康な血流を促進し、内臓や視力を支えることを勧めています。

目のケアは、日々の小さな生活習慣の積み重ねから始まる長期的な取り組みです。さあ!今日から始めてみましょう!

(翻訳編集 井田千景)

Shan Lam